みなさんには毎年必ず訪れる神社やお寺はあるだろうか。

私にとっては、ここ水澤観音がそうである。

初めて水澤観音を訪れたのは10年前、当時群馬に引っ越して来たばかりの頃だった。

友人と伊香保で日帰り温泉を満喫した帰りに偶然立ち寄ったのをご縁に、別の県に引っ越した今も年に数回お参りに訪れている。

新緑や紅葉など四季折々の景観が美しい境内で、ゆっくりと歩き深呼吸をするだけでも心地良い。

またここを訪れたいとふとした瞬間に思ってしまう場所なのだ。

五徳山水澤寺

水澤寺は「水澤観世音」という名で親しまれる天台宗の古刹で、坂東三十三観音霊場の第十六番札所である。

その開基は古く推古天皇の時代といわれ、約1300年の歴史がある。

御本尊

十一面千手観世音菩薩

(国司高野辺家成公の三女である伊香保姫の御持仏であったと伝えられる)

御利益

七難即滅七福即生(しちなんそくめつしちふくそくしょう)

お経を読むことで七つの厄災が消え、七つの福が生まれること。七福神信仰の元となる考え方。

境内には龍王弁財天、飯縄大権現、鐘楼、十二支の守り本尊、六角堂など多くの見どころが点在しているので、ゆっくりと散策して欲しい。

六角堂

仏教に六道輪廻という考え方がある。生前の行為の善悪によって行き先が決まるという六つの死後の世界、六道。

魂は不滅であり、私たちは六道の世界で生と死を何度も繰り返しているという考えだ。

六角堂はその六道を守る地蔵尊を祀っている。回転する地蔵尊を左に3回廻すことでご先祖の供養を祈る。

御朱印

本堂の十一面千手観世音菩薩、六角堂の六地蔵尊、釈迦堂の釈迦三尊の御朱印を受けることが可能だ。ただし、釈迦堂は全日休堂なので直接お参りすることはできない。

いずれも筆書きの達筆な御朱印でとても美しい。

最後に

水澤観音を繰り返し訪れるのは、訪れるたびに新たな魅力を発見できるからかもしれない。

例えば、本堂の天井絵は繰り返し参拝に訪れるうちに気が付いたのだが、いつもその迫力と色彩の美しさに圧倒される。

水澤観音を訪れた際は、あなただけが気付くことのできる魅力を見つけてみて欲しい。

水澤観音にお参りをしたあとは、群馬名物の焼きまんじゅうや水沢うどんを食べてみてはいかがだろう。車で10分ほどの伊香保温泉でゆっくり過ごすのもおすすめだ。