季節外れの暑さの沖縄以外は平年並みの寒さの立冬
立冬
11月7日は、暦の上で冬が始まるとされる立冬です。
山茶花(つばき)が咲き始め、大地が凍り始め、水仙の花が咲く頃とされています(注)。
朝夕が冷えみ、日中の陽射しも弱まってきます。
西高東低の冬型の気圧配置が現れて寒気が南下し、木枯らしが吹き、北国や標高の高い場所からの初雪の便りが届き始めますが、その冬型の気圧配置は長続きしません。
(注)一年の気候を表現する七十二候では、「山茶花」を「つばき」と読んでいますが、ツバキ科ツバキ属の山茶花(さざんか)の花が咲き始める頃という意味です。
山と茶を入れ替えて、茶山花なら、「ちゃざんか」と読めるのですが、日本語表現は難しいです。
立冬を過ぎると、西高東低の冬型の気圧が次第に長続きするようになり、南下する寒気も強くなって、本格的な冬に向かいます。
令和2年(2020年)も、週初めに西高東低の冬型の気圧配置となり、11月4日朝に東京地方で「木枯らし1号」が発表となりましたが、冬型の気圧配置は一時的でした。
すぐに大きな移動性高気圧におおわれて全国的に晴れ、その後、前線や小さな低気圧の通過でほぼ全国的に雨となりましたが、気温はほぼ平年並みに推移しています。
季節外れに暑い沖縄を除いて、ほぼ平年並みの寒さの立冬の予想です(図1)。
沖縄は、沖縄の南海上を西進した台風20号によって持ち込まれた暖気によって11月6日の安次峰(30.7度)・西表島(30.4度)に続き、11月7日の立冬の日も最高気温が30度以上の真夏日の観測地点がある見込みです。
沖縄では、10月頃に吹く北東の季節風を「ミーニシ(新北風)」といい、本格的な秋にはいります。
そして、立冬の頃に、北東の季節風がやむと穏やかな晴天となって最高気温が30度くらいまであがることがあり、これを「ジュウグワチナチグワー(10月夏小)」といいますが、まさにこの状態になります。
温かい沖縄といっても、11月に真夏日を観測するのは約10年に1回くらいの現象です。
週末は再び西高東低の冬型の気圧配置となり、寒気が南下してきます(図2)。
ただ、この西高東低の冬型の気圧配置も長続きしません。
16日先までの天気予報を見ると、週末から週明けの天気は、日本海側の新潟では傘マーク(雨)と雲雲(雨の可能性が高い曇り)、太平洋側の東京がお日様マーク(晴れ)と白雲マーク(雨の可能性が少ない曇り)です(図3)。
冬の典型的な天気ですが、来週の中ごろ以降は、新潟も東京と同様、お日様マークと白雲マークです。
これは、西高東低の冬型の気圧配置から移動性高気圧に覆われることに対応しています。
東京の気温変化
東京では、9月前半までは最高気温が30度以上の真夏日が出現していましたが、10月中旬以降になると、最高気温が25度以上の夏日も出現しなくなっています(図4)。
殺人的と言われた夏に続いて、9月も厳しい残暑で始まりましたが、秋は短く、現在は平年並みの晩秋の気温です。
今週末は、西日本から東日本の南海上にある前線に向かって、暖かくて湿った空気が流入していますので、曇りや雨であっても気温は平年より高くなる予想です。
ただ、高くなるといっても、最高気温が25度以上の夏日にはなりません。
季節は着実に冬に向かっています。
新型コロナウイルス対策とともに、冬に多いインフルエンザ対策が必要となっています。
タイトル画像の出典:アフロ。
図1、図3の出典:ウェザーマップ提供。
図2の出典:気象庁ホームページ。
図4の出典:気象庁資料とウェザーマップ資料をもとに著者作成。