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岡山地区への新車導入で引退へのカウントダウン!? この夏に乗りたい「魔改造・末期色」の115系電車

鉄道乗蔵鉄道ライター
魔改造・末期色の115系(筆者撮影)

新型車両の導入で淘汰が進む「末期色」

 JR西日本の岡山地区では2023年7月22日より新型車両の227系500番台の運行が開始され、それまで同地区で運行されていた国鉄型の113・115系電車の置き換えが進んでいる。岡山の113・115系電車は2010年頃から黄色一色に塗装変更されファンの間からは「真っ黄色」をもじった「末期色」というニックネームで親しまれている。

 新型車両の227系500番台は、2両編成と3両編成の計101両が導入予定で、現在は、山陽本線の三原―岡山―姫路間、伯備線の倉敷―新見間、宇野線の岡山―宇野間、本四備讃線の茶屋町―児島間で運用されており、新型車両の運行区間については今後も順次拡大をしていく予定だといい、筆者は特に伯備線北部の新見―伯耆大山間で運行されている魔改造車の115系電車の今後が気になっている。

伯備線北部では魔改造の末期色が運行

米子駅で発車を待つ115系(筆者撮影)
米子駅で発車を待つ115系(筆者撮影)

 現在は新型車両の運行が行われていない伯備線北部の新見―伯耆大山間では、普通列車に2両編成ワンマン仕様の115系電車が使用されており、全列車が山陰本線の米子駅まで直通運転をしている。この115系電車は2001年に伯備線・山陰本線のワンマン化の祭に3両編成だった115系電車を2両編成に短縮された。この際に米子寄りの先頭車は、中間者に運転台を取り付ける改造を行ったことから前面が切妻の非貫通構造となり、前後で先頭車の形状が異なることとなった。特に切妻タイプの米子寄りの先頭車は、改造内容が最低限にとどめられたことから一部のファンの間からは「魔改造車」などと揶揄されることもあるという。

 岡山地区に導入が進む新型の227系500番台は2両編成のものも導入されること。すでに2019年に和歌山線、桜井線、紀勢線に導入された227系1000番台はワンマン仕様としての実績があること。岡山地区の新型車両の運行区間は今後順次拡大していく予定であることなどから、伯備線北部の115系電車もいつまで運行されるのか気がかりな状態となってきたことから、この夏休み中には是非とも「乗り納め」や「撮り納め」を行いたいところだ。新見―米子間には8往復の普通列車が設定されているので、比較的、乗車難易度は低い路線だ。

昔ながらのボックス席の車内(筆者撮影)
昔ながらのボックス席の車内(筆者撮影)

車内は国鉄時代から変わらぬボックス席

伯耆大山駅の構内には電気機関車とコンテナ車が停まっていた(筆者撮影)
伯耆大山駅の構内には電気機関車とコンテナ車が停まっていた(筆者撮影)

 筆者は先日、この2両編成の115系電車に米子―新見間で乗車した。米子駅を11時14分に発車する新見行の普通列車で、終点の新見駅には13時09分に到着する。およそ2時間の小旅行だ。車内は昔ながらの4人掛けのボックス席が並ぶ国鉄仕様だ。

 新見行の普通列車は米子駅を発車すると4.6km先の伯耆大山駅までの2駅分は山陰本線を走行する。山陰本線と伯備線との分岐駅である伯耆大山駅は、貨物駅も併設しており駅構内にはコンテナを満載した貨物列車が停車していた。さらに伯耆大山駅からは王子製紙米子工場への専用線も続いており、鉄道コンテナによる製品・原料の出入荷も行われている。

 伯耆大山駅を過ぎると、列車は日野川沿いに中国山地へと分け入っていき、谷間がどんどん急峻になっていく。途中の根雨駅では15分近く停車し、岡山行と出雲市行の特急やくも号に道を譲る。筆者が乗車したのは、国鉄型の381系やくも号の引退直前だったことから、筆者が乗車した国鉄近郊型の115系電車と国鉄特急形の381系電車を1枚の写真に収めることができた。

 なお、岡山地区の「末期色」は伯備線のほかは赤穂線でも活躍中でこのときの様子は2024年8月14日付記事(新型車両の導入で引退進む岡山地区の「末期色」113・115系電車 見納めは赤穂線!?)でも紹介している。引退前には、伯備線と赤穂線とを併せて巡りたいところだ。

根雨駅で引退間近の国鉄型特急やくも号と並んだ(筆者撮影)
根雨駅で引退間近の国鉄型特急やくも号と並んだ(筆者撮影)

(了) 

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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