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スポーツ専門チャンネルとネット中継。2020年の“東京”をアピールするもの

杉山茂樹スポーツライター

五輪はテレビと相性がいいイベントだ。異なる会場で行われている様々な競技を、まさにお茶の間に居ながらにして観戦できるところに魅力がある。五輪の現場では、1日で観戦可能な競技はどんなに張り切っても3つか4つだ。例えば、リオ以外で行われているサッカーを観戦しようとすれば、その日は他会場に足を運べない。サッカーオンリー。つまり、多くの競技を見逃すことになる。

マナウスのような遠隔地になると、翌日もほぼ丸一日、移動に費やされる。リオーマナウスの距離を調べれば2850キロだ。東京ー北京が2104キロなので、マナウスは北京からさらに700キロも中国の奥地へ進んだ地点に相当する。ブラジルは想像を絶するほどデカい国なのだが、そうした事実は、テレビ観戦を通しては実感できない。現地観戦ならではの旅情という魅力も、同様にテレビから伝わらない。

4年後の東京五輪には世界各地から大挙、観戦者が駆けつけるという話になっている。その線で物事が進行し、巨大な予算が組まれている。だが、旅行者はたいした数にはならないと思う。

リオに駆けつけた日本人はどれほどいるだろうか。関係者が大半だろう。中心は選手の家族、友人で、一般のファンはごくわずか。サポーターという集団が存在するサッカーでさえ、スタンドの風景を見る限り、せいぜい3桁台といったところだ。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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