年末年始の病院受診‼休みの間の急な体調不良はどうする?
2023年の年末から2024年のお年始にかけて。 いよいよ、コロナ禍もあけて例年通り忘年会や新年会などの催しが再開されるようになりました。
従来の年末年始であれば、忘新年会中の飲み過ぎによる
・急性アルコール中毒
急激な冷え込みによる道路状況の悪化により
・転倒による怪我
などが増えてきます。
クリニックや病院などの方針にもよりますが一般的な病院であれば、通常12/30〜1/3日の間は休診となります。
この間に体調不良になってしまうと、やむを得ず休日外来に受診して診察を受けなくてはなりません。
他に受診している患者さんが重症者であれば、あなたの順番はどんどん後回しになり、何時間も待たなくてはいけない事態も想定できます。体調不良の中、何時間も待たされるのはつらいものです。
どうしてもつらい場合には、病院受診を検討するとよいのですが、自宅で様子を見れる程度なら休み明けまで自宅療養しておける環境を整えておくことも大切です。
今回は、「年末年始の急な体調不良に備えて準備しておきたいこと」を解説します。
【市販薬をそろえておく】
病院が休診中で、体調不良が見られた場合には市販薬での対処が第一選択。
ある程度の体調不良に備えて、いくつかの種類を用意しておくとよいでしょう。お子さんがいらっしゃるご家庭では、子ども用も備えておくとよいですね。
1.総合感冒薬
いわゆる「風邪薬」です。コロナ禍によるソーシャルディスタンスも意識が薄れ、マスクの着用も任意になっているので、呼吸器系の感染症は非常に流行しています。
病院休診中であれば、まず自宅で総合感冒薬を使って対処することになるでしょう。また、感染性のものであれば家族全員が感染してしまう事態も想定できます。
数日間は自宅で対処できる量を想定して備えておくとよいでしょう。
2.解熱鎮痛剤
感冒時の発熱だけではなく、のどの痛みや頭痛時にも活用できる鎮痛解熱剤。ぎっくり腰の痛みや関節の痛みにも効果を発揮します。
できればご自身の体調や痛みのタイプに合わせて「ロキソプロフェン」「イブプロフェン」「アセトアミノフェン」など配合成分のちがうものをいくつか用意しておくとよいでしょう。
お子さんがいらっしゃるご家庭なら「アセトアミノフェン」は、備えておきたい常備薬のひとつです。
3.胃腸薬・整腸剤
年末年始の食べすぎ・飲み過ぎによる体調不良も十分に想定できます。
胃薬や整腸剤は薬の形状や配合成分により飲みやすさも変わってきます。
飲みやすいものを選んで備えておきましょう。
4.シップ剤
急な腰痛や関節痛、転倒して体を痛めてしまった場合に備えて、湿布薬を常備しておきましょう。
冷シップ・温シップのほかに使いやすいテープタイプのものもあります。
気温の低下により、関節の痛みを感じる場合にも活用できます。
5.抗アレルギー剤や目薬など持病にあわせて備えておく
年末年始は実家に帰省したり、旅行に赴く方もいるでしょう。
環境が変われば普段は気にならないアレルギー症状が出てしまうこともあります。アレルギー体質の方であれば抗アレルギー薬も備えておくと安心です。
最近では、市販薬として抗アレルギー成分を含有した内服薬や目薬なども購入できます。
備えておくと「ちょっとした症状」のときに対処でき、重症化を回避するサポートにもなるではずです。
【3-5日分の体調不良時の食料を保管しておく】
常備薬を準備したら、次に備えておきたいのは「食べるもの」です。
体調不良でもいつも通り食事ができるのであれば問題ないのですが、体調不良時は何かと消化にいいものや食べやすいものを食べたくなることもあるはずです。
流行性感染症でも3日あれば多くの場合症状は軽快するはずです。万が一を考え、3-5日分あれば病院の診療日までは備えられるでしょう。
1.経口補水液
経口補水液は近年脱水症の対処療法として急速に普及してきました。
実際には脱水時だけではなく、医療の現場では手術前の患者さんに電解質補給や水分補給のために点滴代わりとして飲用してもらうこともあります。
経口補水液はスポーツドリンクに比べて、甘味が少なめに調整されているので飲みにくいと感じるかもしれません。
可能であれば普段から飲んでみて味に慣れておくか、どうしても難しい場合にはスポーツドリンクを準備しておきましょう。
2.ゼリータイプの食べ物
のどが痛かったり、胃腸の調子が悪いとうまく食べ物が飲み込めないこともあります。ゼリータイプの食べ物は、咀嚼や嚥下が辛い状況でも食べるのをサポートしてくれます。
経口補水液のゼリータイプ飲料でもよいですし、お子さん向けのおやつのゼリーでもよいでしょう。ゼリーを購入の際は賞味期限を確認して準備しておきましょう。
3.日持ちのするフルーツ
ビタミンやミネラルの補給、食事開始前の胃腸のリハビリなどに向けて日持ちのするフルーツを備えておくのもよいでしょう。
お粥と合わせて活用できます。すりおろしたり潰したりして形態を変えることでゼリーばかりの中で味の変化もつけられ、食事も楽しめる一因にできます。
【持病がある方はゆとりをもって処方薬を出してもらう】
持病があり、内服薬などを常用している場合には、年末年始の休診前にゆとりをもって多めに処方してもらうとよいでしょう。
特に月1回の定期受診などを伴っているならば、休診明けの交雑を避ける意味でもいつもより多めにもらっておくと、年明けの診察も混雑を回避できるはずです。
(2024年なら1/15日の週に受診できれば間に合う量を処方してもらう)
【万が一にそなえて、地域で診療している病院やクリニックを探しておく】
基本的に病院やクリニックは、12/30~1/3の間は休診です。しかし、中には診療日として外来の窓口をあけている場所もあります。
万が一に備えて休診日に診療している地域の病院やクリニックを調べておくと安心です。
また、持病がありかかりつけの病院がある場合には「どのくらいの症状になったら連絡・受診をするのか」あらかじめ医師の指導を受けておくとよいでしょう。
【カレンダー上は平日でも休日加算が付き請求される】
年末年始は、カレンダー上は土日ではなくても休日としてみなされます。上記のように敢えて診療している病院でも同様です。12/30〜1/3の間に診察を受けると休日加算が別途請求されます。
全国健康保険協会のホームページを参照すると休診日である日曜・祝日に受診すると以下のような加算額が決められています。
トータルでかかる料金を考えるとなかなかの金額になりそうですね…
【まとめ】
年末年始の急な体調不良。どんなに気をつけていても起こるときには起こるものです。
しかし、備えがない状況で「薬屋さんもスーパーも閉まっていた!」という事態になれば、本来できるはずだった「自宅療養」もできなくなります。
やむを得ず救急外来や休日受診の窓をたたくことになってしまうかもしれません。
救急外来や休日受診はさまざまな加算が加わり、想定以上に出費がかさむものです。また、重症者が優先される場所でもあるので、具合が悪い中何時間も外来の硬い椅子で待機しなくてはならない事態も想定できます。
時間的にも、お財布にも悲しい2024年をスタートしないよう、「備えあれば憂いなし」で準備しておきたいですね!