野山に生えている野生化したミョウガを採って料理に使う 栽培品とは一味違う野性味を堪能してみよう
ミョウガのミニ知識
ミョウガ(茗荷)はショウガ科に属する多年草の草本です。
東南アジアの温帯地域が原産地と言われており、日本へは古い時代に大陸から生姜と共に持ち込まれたのだそうです。
流通しているミョウガはその殆どが野菜として栽培された物ですが、野山にもミョウガは自生しています。
野山に自生しているミョウガももとを辿れば大陸から移入されたミョウガと同じものなのだそうです。
要するに栽培されていたミョウガが野山に逃げ出して繁殖している、と言うことらしいです。
ミョウガとして一般的に知られている部分はミョウガが花を咲かせる部分(花蕾)です。
花蕾はミョウガの地上部である草本体とは地下茎で繋がった状態で少し離れた場所に単独で生えます。
見る機会は少ないと思いますが、地上に出た花蕾からはクリーム色の一日花(咲いたら1日で枯れる花)を咲かせます。
ひとつの花は1日で萎みますが、ひとつのミョウガからは数日おきに次々と花を咲かせ続けます。
自然の中ではミョウガは夏の終わり頃に花を咲かせます。
ミョウガの花を見る機会はあまり無いと思いますがミョウガの花はとても綺麗です。
野生化したミョウガを探してみよう
野生化したミョウガを探す時はまずミョウガの地上部(草本体)を探します。
野生化したミョウガは野山の縁ような半日陰の草地などに他の草に混じって生えている事が多いです。
ミョウガの草本体は生姜のそれととても良く似ています。
生姜との違いは香りの有無です。
生姜は全草に特有の香りがありますが、ミョウガには生姜の香りはありません。
ミョウガの草本体が生えているのを見つけたら、その根本付近を探してみます。
この時に探す目印はクリーム色をしたミョウガの花です。
ミョウガの草本体が繁茂した薄暗い茂みの中でもこのクリーム色の花は良く目立ちます。
ミョウガの花蕾を見つけたら根本から折り取って持ち帰ります。
採取した野生のミョウガの下処理
野生化したミョウガは市販品の野菜のミョウガと違いひと手間処理が必要です。
市販品のミョウガは下の写真のような形で販売されていて、この形のまま食用に使えますが、野生化したミョウガでは花蕾の中には枯れた花の残骸や小さな虫などが棲んでいる事もあります。
ミョウガの中の汚れなどを丁寧に取り除くのですが、その方法は、ミョウガは鱗片が重なり合った構造をしていますので、この鱗片を全て剥ぎ取ってバラバラの状態にしてしまいます。
鱗片の間には花が咲いて萎んだ後に残った部分(種子になる部分)があります。
これは食味が良くないので取り除きます。
尚、一般的にミョウガには種子が出来ないと言われていますが、稀にこの種子になる部分が大きく膨らんで種が出来る事もあります。
剥がし取った鱗片と、その鱗片が付いていた芯の部分は食べる部分です。
きれいに流水で洗えば後は市販品のミョウガと同じようにいろいろな料理に利用できます。
尚、野生化したミョウガは痛みが早いので、持ち帰ったらなるべく早く上記の処理をして早めに食べきってしまうのが良いでしょう。
野生化したミョウガは市販されているミョウガよりも味が濃い傾向にあります。
細かく刻んで使えば野性味溢れる薬味になります。
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