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メイウェザーが期待する17歳の新星

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Photo:Esther Lin/PBC

 フロイド・メイウェザー・ジュニアがプロモーターとして目を掛ける、スーパーフェザー級の新星、カーメル・モートンが、デビューから3連勝を飾った。

 2006年6月4日、ユタ州ソルトレイクシティ生まれの17歳。ボクシングを始めたのは2012年。直ぐに頭角を現し、メイウェザーの目に留まる。プロ入りに際してラスベガスに居を構え、メイウェザーのジムで汗を流している。

 昨年9月30日、WBA/WBC/IBF/WBOスーパーミドル級チャンピオン、サウル・”カネロ”・アルバレスvs.2階級下のスーパーウエルター級4冠王者、ジャーメル・チャーロ戦の前座でデビュー。初回KO勝ちだった。

 2か月後の第2戦もファーストラウンドで相手を沈め、2024年3月30日に8回戦のリングに上がる。相手のアンソニー・キューバは、7勝(3KO)2分けと負け知らずの21歳。モートンにとっては試金石となる一戦だった。

Photo:Esther Lin/PBC
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 物怖じしない17歳は、オープニングベルから重いパンチで圧倒する。デビュー3戦目とは思えない落ち着きようだ。

 ボディーブローを随所に決め、キューバにダメージを与えていく。気が強く、絶対に下がらない。一発一発、パンチを振るう際に「ファ!」「ファ!!」と声を上げながら、KOを狙っていった。

 4回、キューバの動きがガクンと落ちる。再三喰らったボディの影響であろう。

Photo:Esther Lin/PBC
Photo:Esther Lin/PBC

 6回以降、若干モートンのペースが落ちたが、主導権は譲らず、接近戦での打ち合いも制した。疲れを感じさせても、カウンターを狙う巧みさ、チャンスと見ればまとめて打つボクシングの基本も忠実に守っていた。そして、得意の左ボディアッパーを何度も決める点は心憎いほどだ。

 結局、3人のジャッジ全員が試合を80ー72と採点し、モートンが勝者となった。

Photo:Esther Lin/PBC
Photo:Esther Lin/PBC

 メイウェザー陣営からは「若く素晴らしいファイターだ。我々はモートンの輝かしい未来に期待している。彼は今年、非常に忙しくなる。1年以内に世界チャンピオンになるんじゃないか。間違いなく、メイウェザー・プロモーションの次のスターになる」といった声が聞こえている。

Photo:Esther Lin/PBC
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 確かにそうだ。まだ17歳。今後、メイウェザー・プロモーションがどのようなマッチメイクを見せるかがカギとなる。

 カーメル・モートン。要チェックである。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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