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【宝塚記念】単勝1倍台イクイノックスの取捨、当日オッズ急上昇の穴馬は!?

花岡貴子ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家
宝塚記念の有力馬・2022年天皇賞(秋)を制したイクイノックス(撮影:青山一俊)

単勝オッズ1倍台のイクイノックスは絶対か

 25日、阪神競馬場で宝塚記念(GI、芝2200m)が行なわれる。注目は単勝1倍台で断然の一番人気のイクイノックスだ。

 まず、JRA発表の前日の単勝オッズをおさらいしよう。1番人気はイクイノックスで1.3倍。2番人気は大きく離れて春の天皇賞馬・ジャスティンパレスで8.5倍。単勝1桁台はこの2頭で、3番人気は11.0倍で武豊騎手に乗り替わるジェラルディーナ、4番人気は天皇賞(春)2着のディープボンドで15.7倍、5番人気は昨年の菊花賞馬のアスクビクターモアで17.6倍と続く。単勝10倍台はここまで。以下、単勝2桁台は6番人気は日本ダービーをスタート直後に落馬で競走中止しデュラエレーデ(24.6倍)、7番人気は昨年ジャパンカップを勝った後は2戦惨敗中のヴェラアズール(31.2倍)、8番人気は2020年のホープフルS優勝馬・ダノンザキッドで34.9倍、9番人気は前走・中山牝馬Sを制したスルーセブンシーズで38.5倍、10番人気が前走・鳴尾記念を勝ったボッケリーニで66.0倍と続く。

 当日11時も単勝の人気順はあまり変わらない。4番人気と5番人気がアスクビクターモア(14.2倍)とディープボンド(17.1倍)が入れ替わったのと、前日は10番人気だったボッケリーニが30.6倍の7番人気に上がってきたのが目立った変化だった。

イクイノックスの父・キタサンブラックが宝塚記念を負けた理由

 断然人気のイクイノックスだが、この宝塚記念を迎えるにあたり、大きな環境の変化を強いられた。今回、初の関西、初の阪神遠征なのだが、いつもトレーニングしている美浦トレーニングセンターの坂路コースが工事により閉鎖されていることもあり、栗東トレーニングセンターに滞在して調整を進めてきた。関東馬が栗東トレセンに滞在して調整する場合、競馬の直近に長距離輸送をしなくていいメリットがあり、以前はわりと多く見られた。しかし、最近では以前ほど多くはなくなっており、前日に直接競馬場へ入るケースが多い。そういう意味では、坂路での調整、競馬場への当日輸送などをトータル的に考えて万全を期しての参戦とみていいと察する。

 イクイノックスの父・キタサンブラックは宝塚記念とは相性が悪く勝っていないが、その前走で圧倒的な強さを見せたわりに宝塚はあまりにあっけなく負けてしまい、鞍上の武豊騎手も敗因を聞かれ「わからない」というコメントを出している。ただ、キタサンブラックの場合は調教から状態面も前走と比べるとやや状態が落ちているようにも感じられていた。「れば」「たら」になるが、宝塚記念を強く狙って勝負にきていれば結果は違ったのではないかと考える。イクイノックスの調整過程とは大きく異なるし、不安はあまり感じられない。

 "あまり"と書いたのは、海外・ドバイ遠征帰りという点が不安材料になっていたからだ。海外遠征帰りの消耗度は馬によって差が大きい。まして、イクイノックスはいつもの調整過程とは違うステップで本番に挑んでいるので比較が難しい。それでも、馬体を見る限り、不安は感じられないので筆者もここは人気でもぜひ1着固定の軸として推したい。

当日オッズ急上昇!ボッケリーニの全兄は宝塚記念優勝のラブリーデイ

 相手関係で注目しているのは人気のないジャパンカップ優勝馬・ヴェラアズールと鳴尾記念優勝馬のボッケリーニ。

 ヴェラアズールは前走のドバイ遠征、前々走の有馬記念はいずれも負けすぎだが、まぁ、条件が整わなかったとみればここで巻き返しても何ら不思議ない。

 ボッケリーニは7歳にしてようやく本格化。全兄は2015年の宝塚記念優勝馬のラブリーデイだ。兄とはタイプは違うが、その血の底力に期待したい。

2023年宝塚記念枠順(筆者作成)
2023年宝塚記念枠順(筆者作成)

ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家

競馬の主役は競走馬ですが、彼らは言葉を話せない。だからこそ、競走馬の知られぬ努力、ふと見せる優しさ、そして並外れた心身の強靭さなどの素晴らしさを伝えてたいです。ディープインパクト、ブエナビスタ、アグネスタキオン等数々の名馬に密着。栗東・美浦トレセン、海外等にいます。競艇・オートレースも含めた執筆歴:Number/夕刊フジ/週刊競馬ブック等。ライターの前職は汎用機SEだった縁で「Evernoteを使いこなす」等IT単行本を執筆。創作はドラマ脚本「史上最悪のデート(NTV)」、漫画原作「おっぱいジョッキー(PN:チャーリー☆正)」等も書くマルチライター。グッズのデザインやプロデュースもしてます。

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