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ニューヨークの両球団、ヤンキースとメッツでプレーするのは、カノーが何人目?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ロビンソン・カノー OCT 20, 2009(写真:ロイター/アフロ)

 ロビンソン・カノーが、シアトル・マリナーズからニューヨーク・メッツへ移籍した。カノーはマリナーズに入団する前、2013年まではニューヨーク・ヤンキースに在籍していた。

 ニューヨークに本拠を置く2球団、ヤンキースとメッツの両方でプレーした選手は、少なくない。カノーと入れ替わりにマリナーズへ移ったアンソニー・スウォーザックも、その一人だ。2016年にヤンキース、2018年はメッツで投げた。日本人選手では、五十嵐亮太がそう。ベースボール・リファレンスによれば、スウォーザックあるいはニール・ウォーカー――2人とも2球団目の初出場は2018年3月29日で、どちらが先だったかは微妙なところ――に続き、カノーは133人目となる予定だ。

 ヤンキースとメッツの合計出場は、2120試合のヨギ・ベラが最も多い。6人いる出場1000試合以上のうち、カーティス・グランダーソンは、それぞれの球団で500試合以上に出場した。合計登板は、マイク・スタントン――ジャンカルロ・スタントン(ヤンキース)もかつてそう名乗っていたが、まったくの別人――の589試合が最多。スタントンとデビッド・コーンは、両球団とも100試合以上に登板した。

筆者作成
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 カノーはヤンキースで1374試合に出場しているので、来シーズンのメッツ・デビューにより、いきなり合計出場の3位にランクインする。同様に、204本塁打は5位だ。メッツで最初のホームランを打つと、4位のカルロス・ベルトランに並ぶ。トップにいるベラの358本塁打――すべてヤンキース時代に打ち、メッツでは0本――を上回るのは難しそうだが、10年2億4000万ドルの契約が終わる2023年まで、メッツでプレーすれば、2位のダリル・ストロベリー(293本)を追い越せそうだ。

 なお、これまでの132人中、ヤンキースとメッツの両方でワールドシリーズ優勝を味わったのは、ストロベリーとドワイト・グッデンの2人だけ。それぞれの球団が優勝したワールドシリーズに出場した選手に限れば、ストロベリーしかいない。この少なさは、メッツのワールドチャンピオン(1969、1986年)とヤンキースの低迷期が重なっていることが理由だ。メッツが誕生した1962年以降、ヤンキースはワールドシリーズで8度優勝しているが、1963~1995年は2度(1977~78年)にとどまり、1980年代は皆無だった。

 ちなみに、ストロベリーとグッデンは、メッツでもヤンキースでも、チームメイトとしてプレーした。再びチームメイトになる前に、道を踏み外したことも共通している。カノーの場合、2人のようなコカインではないが、今シーズンは禁止薬物の陽性反応により、80試合の出場停止を科された。

 また、カノーには、ストロベリーとグッデンに続き、ニューヨークの両球団でワールドシリーズ優勝のチャンスがある。2009年のワールドシリーズで、カノー自身は22打数3安打(打率.136)と打てなかったが、ヤンキースはフィラデルフィア・フィリーズを下した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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