ゲーム差、マジックはどう計算する?
「巨人が勝ち阪神が敗れたため巨人にマジック39が点灯、ゲーム差は8.5に広がった」
これは8月9日に流れたニュースです。
よく聞くマジックやゲーム差、一体どういう計算で出してるの?
すごく簡単に計算出来る、ゲーム差
ゲーム差とは
下位チームが上位チームに追いつくには直接対決で何試合勝てばいいか
を表したもの。
{(上位チームの勝利数-下位チームの勝利数)+(下位チームの敗北数-上位チームの敗北数)}÷2
という式によって計算されるがもっと簡単な計算方法がある。
それは
貯金数の差を2で割る。
それだけである。
例えば、8月11日現在の貯金は
巨人が28
阪神が12
その差は16である。
16÷2でゲーム差は8、と暗算でも簡単に計算できる。
ちなみに借金がある場合も考え方は同じ。
貯金20のチームと借金8のチームならば、その差は28、これを2で割るとゲーム差は14となる。
貯金20のチームとは楽天であり、借金8のチームとは日本ハムである。
けっこう複雑、マジック
マジックというのは
優勝するためにあと何試合勝てばいいかを表したものであり、
他の全てのチームに自力優勝の可能性が消滅した時に点灯する。
自力優勝が消滅するとは
残り試合に全勝しても1位チームが直接対決以外の試合で負けないと勝率で上回れない場合を指す。
例えば、マジックが点灯した8月9日時点の成績は以下の通り
勝 敗 分 残り
巨人 61 34 3 46試合
阪神 52 42 2 48試合
阪神がここから怒涛の48連勝を記録しシーズンを100勝42敗2分で終えたとしても、巨人が阪神戦7試合以外の39試合に勝利すれば100勝41敗3分となり勝率で阪神を上回る。
つまり阪神が優勝するためには、巨人が直接対決以外の試合で負けるという“他力”に頼らなければならない。
だから"自力優勝”が消滅したと表現する。
巨人はあと39勝すれば阪神を勝率で上回る。他のチームについてもそのチームが残り試合を全勝した場合、巨人が勝率で上回るためには少なくとも何勝すればいいかを計算し、5チームの数字の中で最大のものがマジックナンバーとなる。
例外的要素を多分に含む
気を付けなければならないのは、消化試合数や直接対決の残り試合数などの関係により、マジック対象チームが2位チームでないことがある。
更にマジック点灯は1位チームとは限らない。
また、自力優勝できるチームが最終戦まで2チームあった場合はマジックが点灯しないまま優勝が決まるということも有り得る。
引き分けの場合は、勝率を基準に順位を決めているためそれによって1勝の価値が変わるからマジックが減ったり減らなかったり・・・
と、いうようにマジックはかなり複雑。
とりあえず
他チームに自力優勝の可能性が無くなると点灯し、勝つか対象チームが負けると必要勝利数が減るのでマジックも減る。ということがわかれば十分であろう。
ゲーム差にも特殊なケースがあり貯金が多くても順位が下の場合、マイナスとなることがある。
極端な例を挙げれば
120勝1敗23分のチームは1勝143分のチームに勝率で及ばない。
この時ゲーム差は-59となる。
実際に昨年4月、12試合を消化したロッテが7勝4敗1分、16試合を消化した日本ハムが10勝6敗となった時、勝率ではロッテが上だがゲーム差を計算すると
ロッテは貯金3
日本ハムは貯金4
3-4=-1
貯金の差を2で割ったのがゲーム差なのだから-0.5となる珍しい現象も起きている。消化試合数に開きがあったり引き分けが多いとこのようなことが起こる。
パソコンの無い時代はこれらを全て手作業で計算していたのかと考えると、その担当はちょっと勘弁願いたい。