実は生産量日本一!青森県産カシスの羊羹は、創業130年以上の老舗「甘精堂」さん自慢の逸品
美味しい果物に野菜、海産物や畜産物…日本にはその土地ならではの美味しい特産品が沢山!有名どころもあれば、知る人ぞ知る、といったものまで実に様々。
さて、地理的表示保護制度というものをご存知でしょうか?農林水産省によれば、
と記載されております。
実はこちらの制度に登録された第一号が「あおもりカシス」。青森県はカシスの栽培において40年以上もの歴史を誇り、国内生産量日本一。初めて耳にした際には意外だと驚いたのですが、涼しい地域での栽培に適していると知り納得。
今回は、青森県青森市にて創業1891年の老舗和菓子屋「甘精堂」さんの「カシス羊羹」をご紹介。
贈答品としてもぴったりな棹物もございますが、今回は食べきりサイズに丁度良い5cm四方のものを選択。紫紺に映える金の菓銘、なんとも高貴な佇まい。
別名、黒房すぐりとも呼ばれるカシス。その名を落とし込んだような深い色合いの羊羹には、ところどころひと際黒い斑点がぽちぽちと。切り分けてみると、丸い果肉が顔を覗かせているではありませんか。ジャムやピューレではなく、そのままの姿で和菓子の中に身を潜めているというのは珍しいような気がします。
葡萄でもブルーベリーでもない、優雅な酸味とごくごく僅かな渋みのような感触を舌先に感じ、より一層味わいに立体感が生じます。試行錯誤なさったという、癖のない白餡の甘味とやや個性的なカシスの酸味のバランスは絶妙。奇をてらうわけでもなく、きっちり和菓子としての実直な味わいが口の中でじんわりと花開いていきます。
薄く切り分けると、果実の色彩がより一層鮮明に。このように薄くスライスしてクリームチーズと一緒にパンに合わせたり、紅茶や炭酸水と一緒に召し上がっていただいたりと和洋折衷な楽しみ方が広がりますね。
長い歴史を持つ羊羹と、まだまだ発展し続けていくであろうあおもりカシスに思いを馳せながら、甘酸っぱいひとときに身を委ねて。
<甘精堂・本店>
青森県青森市新町1-13-21
017-722-3740
9時30分~18時30分