雷雨の範囲じわじわ広がる…居座る"寒冷渦"で突風やひょうに注意も梅雨入りは遅れる?:気象予報士解説
3日は午前のうちは晴れ間の出るところが多いものの、午後になると関東甲信や東海でじわじわと雷雨の範囲が広がりそうです。
激しい現象をもたらす上空の寒気は4日(火)にかけて居座り、雷雨や突風、ひょうに注意が必要ですが、5日(水)頃から晴れ間の広がるところが増え、本州付近の梅雨入りは平年より遅れそうです。
東北は朝から、東日本は午後から雷雨に
東北では2日に引き続き3日も雨が残り、午後には雨雲はまばらになりますがそれでも降るところがありそうです。
関東~東海では朝のうちは日差しが戻り、天気が回復したかのように見えますが、午後になるとところどころで雨雲が発達しそうです。
特に発雷確率(記事冒頭の図)が関東内陸・甲信や新潟で高く、雷雨だけでなく突風やひょうにも注意をしてください。
居座る"寒冷渦"、沖縄には元台風2号
今回の荒天をもたらしているのは、日本海から東北に近づく低気圧です。
天気図では小さな低気圧に見えていて、これが広範囲で何日間も影響を及ぼすようには見えませんが、この低気圧は上空に強い寒気を伴っています。
しかも上空で寒気のかたまりのような状態になっていて、こういうパターンを「寒冷渦(かんれいうず)」と呼びます。
寒冷渦は特にその前面で雷雨や突風、ひょうなどを引き起こしやすく、しかも動きが遅いという特徴があり、今回のように影響が長引くのです。
一方、沖縄では梅雨前線上の低気圧(元台風2号)が接近して激しい雨が降り、3日夕方までの24時間で多いところ100ミリの雨が予想されています。
梅雨入りは遅れる?
今回、寒冷渦の影響で数日間にわたって東日本~東北で雷雨となることで、「これって梅雨入りじゃないの?」と思った人もいるかもしれません。しかし、このさき5日(水)頃から次の週末8日・9日頃にかけては全国的に晴れ間の出るところが多く、梅雨入りの目安となる「雨や曇りが続く」状態にはあてはまりません。
一方で、6月中旬以降は全国的に雨や曇りの日が多くなる見通しで、このあたりでついに梅雨入りとなりそうです。
平年の梅雨入りが5月30日である九州南部では平年よりも梅雨入りがかなり遅れそうですし、平年が6月7日である関東甲信でも今年は遅い梅雨入りとなるでしょう。