Yahoo!ニュース

異例の花見シーズン、半数以上で最早開花 今後は降水量の4極構造で、長雨に

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
この先10日間の天気予報(3/19~25気象庁、3/26~28ウェザーマップ)

 18日(土)は福岡、松山、前橋で、サクラが開花しました。14日の東京を皮切りに、これまでに京都や名古屋など11か所で開花し、そのうちの半数以上で観測史上最も早くなりました。

 九州地方で最初の開花となった福岡では午前中、小雨が降っていましたが、昼頃から晴れてきたそうです。

3月18日午前、福岡でサクラが開花した(福岡管区気象台の許可を得て、福山佳那さん撮影)
3月18日午前、福岡でサクラが開花した(福岡管区気象台の許可を得て、福山佳那さん撮影)

 なぜ、今年はサクラの開花が記録的に早いのでしょう。それは冬が寒かったことに加えて、3月の気温が非常に高いからです。高気圧に覆われて、晴れた日が多くなったことも気温を押し上げました。

 早く始まれば早く終わってしまうと考えがちですが、3月半ばにサクラが開花すると、花を長く楽しめることが多い。それは寒気や長雨で、気温が低くなるためです。

今後は春の長雨か?

 こちらはこの先1か月間の降水量の予想図です。いつもより広い地域、全世界の降水量を予想したものです。青緑色は平年と比べて降水量が多いことを、茶色は降水量が少ないことを示しています。

【1か月予報(3/18~4/14)】世界の降水量予測マップ(ウェザーマップ作画、筆者加工)
【1か月予報(3/18~4/14)】世界の降水量予測マップ(ウェザーマップ作画、筆者加工)

 南米やアフリカ東岸で雨が多い一方で、赤道付近やインド洋東部は雨が少ない予想となっています。そして、日本付近は薄い青で、雨が多い予想ですが、分かりにくいので、拡大しましょう。

【1か月予報(3/18~4/14)】世界の降水量予測マップを拡大したもの(ウェザーマップ作画、筆者加工)
【1か月予報(3/18~4/14)】世界の降水量予測マップを拡大したもの(ウェザーマップ作画、筆者加工)

 日本付近は低気圧や前線の影響を受けやすく、平年と比べて雨が多くなる予想です。特に、西日本と東海・関東は今月末にかけて、天気がぐずつく可能性が高いと思います。

 目についたのが赤道から日本にかけて、南北に雨が少ない、多い、少ない、多いと交互に並んでいることです。こういうのを降水量の4極構造と言うのでしょうか。規則性があることにはたいがい意味があります。今月後半は、気温は高いけれども、雨も多くなる。天気の雰囲気が変わりそうです。

【参考資料】

気象庁:全般季節予報支援資料(1か月予報)、2023年3月16日

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

片山由紀子の最近の記事