【京都市下京区】十人の冥界裁判官のいる商店街でえんま堂祭りが大盛況 人気のあんぱんまんじゅうも健在!
西七繁栄会のルーツは、平安京の朱雀大路を中央に左京と右京に配置された官営市場の「東市・西市」のうち「西市(にしのいち)」を起源としています。そんな由緒ある商店街で2024年10月27日に開催された「七条えんま堂まつり」に老若男女問わず、たくさんの地域の人たちが訪れ大盛況となりました。
このえんま堂に祀られている閻魔様始め十王とは、実は冥界で生前における罪を裁断する十人の裁判官のことです。秦広王が初七日、初江王が14日目、宋帝王は21日目、五官王は28日目、有名な閻魔王は実は35日目の裁判官です。変成王が42日目、泰山王は49日目、平等王が100か日、都市王が1周忌、五道転輪王が3回忌において裁決をするとされています。
6年前から始まった仏像の調査で、11体もの古い十王像が存在していたこと、ほとんどの十王像が室町時代に作られたもので、最も古いものは鎌倉時代のものという驚きの事実が判明しました。堂の中から「十王堂記」(1753年)という巻物も発見され、江戸時代の寛永二年(1625年)にはすでにこの地に前身となる十王堂が存在していることも分かりました。
その閻魔様や十王たちの前で、ふたば書房の洞本昌哉社長が絵本の読み聞かせ。堂内にあふれんばかりの親子連れが参加しました。楽しい絵本と優しく語る口調に小さな子どもたちも絵本を食い入るようにみつめていました。
続けて、このえんま堂を管理する大原野正法寺の吉川教正副住職の「こども法話」が行われ、「えんまさんはなぜ怒ったような顔をしているの」「みんなが大好きで正しい人になってほしいからなんだよ。ママやパパがみんなに怒る時があるのも一緒だね」、「うそはなんでだめ」、「うそばかりついていると自分が生きていけなくなるからなんだよ」とこちらも優しい語りかけに小さな子どもたちも熱心に聞き入っていました。
露店ブースには、京都外国語大学の学生らがタコスを販売した他、松尾大社の宗像社青年会からはホットサンドが提供されました。京都信用金庫といった地元に係る企業なども参加。山口一笑さんの似顔絵コーナーが大人気でした。
えんま堂隣の「きねや老舗(七条きねや・菓匠おくむら)」で人気の和菓子のあんこをたっぷり詰め込んだあんぱん「あんぱんまんじゅう」の美味しさは健在でした。3年前にはなかった「えんま様の焼き印入りの栗バージョン」や「十王像が描かれた麩菓子」も登場していました。
午後からは、護摩を焚いて厄除けを行う護摩供などが行われました。今、七条通が面白いですよ。新しい京を発見しに足を運んでみられてはいかがでしょうか!
七条えんま堂(外部リンク) 京都市下京区西七条南西野町3