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逃げればますます怖くなる!?:不安と恐怖症に打ち勝つ心理学

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
(写真はイメージ:誰でも怖いものはある)(写真:アフロ)

<無理強いは逆効果。でも逃げてばかりだとますます怖くなる。ではどうする? 自分の不安と恐怖を下げるために。怖がりの子供を強くするために。>

■不安と恐怖

不安も恐怖も必要です。テストが不安でなければ勉強しませんし、恐怖がなければライオンにも近づいてしまいます。合理的な不安や恐怖は、適切な準備や避難につながって、あなたの身を守るのです。

けれども、不合理で強すぎる不安や恐怖は、あなたの生活をとても不便にします。不必要で強すぎる不安や恐怖からは、正しい行動が生まれません。動けなくなることもあれば、あわてて走りすぎることもあります。強すぎる不安や恐怖に襲われれば、勉強も仕事も手につかなくなります。本当は怖がらなくても良いのに、パニクになってしまうこともあるでしょう。

そうなると「落ち着け!」などと言われたり、心が弱いなどと責められたりもするのですが、本人もわざと怖がっているわけではありません。それに、不安や恐怖は、主観的な心の問題だけでないのです。

恐怖とは

恐怖とは特定のものに対する恐れの勘定です。高いところや尖ったものなどを正しく怖がることは大切なのですが、必要以上に怖がりすぎて日常生活が困るほどになると、高所恐怖症とか先端恐怖症と呼ばれることになります。動物や虫が怖い人もいますし、他の人はぜんぜんこわくないものがとても怖いと感じる人もいます。

不安とは

不安は、特定の対象がない恐れの感情です。恐怖は怖いものがはっきりした感情ですが、不安ははっきりしません。それだけに、本人もどうしたら良いか分からないことも多いのです。普通は、不安を感じながらも何とか日常活動ができます。しかし、不安のために日常生活に支障がでるようになると、不安障害などと診断名がつくことになります。

過剰な恐怖も不安も、心を強くするといった説教や努力だけでは治りません。時には自分の努力や周囲の働きかけが逆効果になることもあるのです。

■不安は感情だけの問題ではない

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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