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慶応義塾大学卒の40歳。メールやSNSが苦手で婚活がうまくいきません~おみおじリポート(159)~

大宮冬洋フリーライター
愛知県三河地方在住の大手メーカー正社員。我がオネットで婚活再開です。(本人提供)

短い文章でまめに連絡をしても返信が来なくなる。メッセージの適切な分量と頻度とは?

※2023年9月15日追記。佐々木さんは半年間の受けオネット期間を終了し、自動退会日を迎えました。残念ながら結婚につながるような出会いはオネットではご紹介できませんでしたが、彼の幸せを祈りつつ見送りたいと思います。

 こんにちは。大宮です。自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」を婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。僕の読者(この記事を読んでいるあなたも該当します)で「そろそろ結婚したい」という人をオネット(大宮ネットワーク)にお迎えし、良縁を結ぶことをお手伝い中です。本連載ではその活動の一端をレポートしています。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。

 コミュニケーションの方法で得意・不得意が分かれることがあります。例えば僕は話すことが好きなのに得意ではありません。鼻声かつ活舌が悪いので発する言葉が聞き取りにくいだけでなく、その内容も「何を言いたいのかよくわからない」と指摘されることがあります。特に妻からは「あなたは自分に注目を集めたいだけで、伝えようとする姿勢が足りない。だから話が長いわりに面白くない」と厳しく分析されています。ますます自信がなくなり、声が小さくなっているところです。

 僕と同じく愛知県三河地方に住んでいる佐々木光昭さん(仮名、40歳)は、メールなどの書き言葉でのコミュニケーションが「下手くそ」だという自覚があります。それが原因で婚活が難航しているとのこと。

「20代後半から様々な婚活イベントやマッチングアプリに参加して、マッチングできた女性もいました。でも、メッセージのやり取りが続きません。僕はまめに連絡しているのですが、返信が来なくなりがちです。伝えたいことや聞きたいことはいっぱいあるのですが、文章量が多すぎて重くなってしまうのかなと反省しています」

サッカー観戦が佐々木さんの趣味の一つ。名古屋グランパスの2021年のルヴァンカップ決勝を現地観戦できた、と熱く説明してくれました。趣味の話になると急に饒舌になる佐々木さん。憎めない人です。(本人提供)
サッカー観戦が佐々木さんの趣味の一つ。名古屋グランパスの2021年のルヴァンカップ決勝を現地観戦できた、と熱く説明してくれました。趣味の話になると急に饒舌になる佐々木さん。憎めない人です。(本人提供)

自分が苦手なフィールドでは戦わないこと。メッセージが苦手ならやめましょう

 佐々木さんとメールでやりとりをしていて問題だと思うのは文章の「分量」や「頻度」ではありません。その内容です。自分のことを一方的に書いてあり、読み手であるこちらへの配慮や興味がないと感じてしまいます。一言でいうと余裕とサービス精神が足りません。これでは初対面の女性からの受けも悪くなってしまうでしょう。

 ただし、Zoomでの会話では印象が異なります。ちょっと緊張気味でも仕事内容などに関する説明は的確。頭がいい人なのだなと感じます。それも当然で、佐々木さんは慶応義塾大学卒で大手メーカー勤務。エリートですね。ここでマチコ先生からアドバイスがあります。

「佐々木さんは表情も含めていい感じです。対面でのコミュニケーションは問題がありません。オネットの場合、佐々木さんがメッセージのやり取りが苦手であることは私がお相手にお伝えできます。お見合いして連絡先を交換したら、無理にメッセージで交流を深めようとはせず、できるだけ1週間以内に直接会うようにしてください。自分が苦手なフィールドで戦わないことは婚活の鉄則です」

 この鉄則はコミュニケーションについてだけでなく、例えばデートコースの設定にも当てはまります。相手の希望を聞きつつも、できるだけ自分の得意なフィールドを選ぶこと。聞けば、佐々木さんにはマラソン、旅行、スポーツ観戦といった趣味があります。それを生かさない手はありません。

浜松でバスケットボール観戦。「三遠ネオフェニックスの『三遠』は、東三河と遠州という意味。県単位ではないレアなチームです。この日の相手は強豪の琉球ゴールデンキングス。辛い試合結果でした」(本人提供)
浜松でバスケットボール観戦。「三遠ネオフェニックスの『三遠』は、東三河と遠州という意味。県単位ではないレアなチームです。この日の相手は強豪の琉球ゴールデンキングス。辛い試合結果でした」(本人提供)

謙遜と卑屈は紙一重。励まされたがりの面倒臭い人になっていませんか?

「応援している名古屋グランパスと三遠ネオフェニックスのアウェイ観戦に行くついでに観光もしています。特に京都と鎌倉はご案内できるレベルだと思います(笑)」

 おお、いい笑顔が出ました! ちょっとバカっぽいぐらいに自信があるほうが魅力的に映りますよ。逆に、謙遜のし過ぎは結婚相手にとっては不安材料になってしまいます。謙遜ではなく卑屈だと受け止められかねません。相手としては「まだ好きになっていない人を励ましたりフォローしたりはしたくない」と思うのが当然です。この点はマチコ先生も補足します。

「マッチングアプリ用のプロフィール文章を拝見しました。その中で、『事務職ですので、技術的なことはわかりませんが、経理的・総務的な面から部署を支えています』という一文が気になりました。技術的なことはわかりませんが、などと書く必要はありません。細かいことですが、お見合いやデートのときもそういう発言をしないように注意してください」

 素直に聞いてくれた佐々木さん。仕事について、以下のように語り直してくれました。

「僕の役割は、2人の管理職とその他の作業員の間を埋めること。経理をはじめ管理的な業務を何でも引き受けています。事業活動を行うということはお金の動きが発生しますので、その流れを把握し、正しい会計処理をしなければなりません。最初の配属先は財務部だったので、部門内予算の策定補助、固定資産管理、棚卸資産管理といったお金に関わる仕事は、自分の能力が試されていると感じています」

 うん、これならば前向きですね。プロとしての誇りも伝わってきて頼もしいです!

先日、大阪マラソン2023出走。「何とか6時間切れました。ゴールの瞬間、新しい景色が見えました(笑)。満身創痍でしたが、出て良かったです」(本人提供)
先日、大阪マラソン2023出走。「何とか6時間切れました。ゴールの瞬間、新しい景色が見えました(笑)。満身創痍でしたが、出て良かったです」(本人提供)

「結婚して人間的に成長したい」。高学歴者に共通する良い傾向は向上心があること。

 僕は様々な人にインタビュー取材をしていますが、佐々木さんのような高学歴者に共通する「良い傾向」があると思っています。それは向上心があること。自分はこんなものだと小さく規定するのではなく、より高い目標に向けての努力を厭わない人が多いように感じています。佐々木さんからも次のような話を聞けました。

「結婚したいのは、パートナーの女性から刺激を受け、人間的にもっと成長したいと思うからです。地元なので中学校時代からの友人もいるのですが、コロナ禍で会えない時期が続き、孤独感が募ったのも正直な気持ちです」

 人生をもっと豊かで温かいものにしたい、ということですよね。なお、佐々木さんは現在実家暮らし。関東出身の僕としては「40歳にもなって親元から離れられないのか」と思ってしまいますが、三河地方ではこれが普通。ワンルームマンションに住む代わりに自分の馬、ではなく車を保有して路上を元気に走り回るのです。家康時代からあまり変わっていないのかもしれません。

「20代の頃は名古屋にある会社の独身寮で生活していましたが、30歳になると出なければならないルールがあって、県内の実家に戻りました。両親と3人暮らしで、もちろん生活費を入れています。僕は一人っ子の長男ですが、家を継ぐというプレッシャーはありません」

 転職をするつもりはないので名古屋までの通勤圏で住みたい、のが佐々木さんのほぼ唯一の結婚の条件です。今でも1時間半以上の通勤時間なので、かなり広い範囲で新居を探せますね。

「マラソンやスポーツ観戦をパートナーとすべて共有できるとは思っていません。でも、ときどきでも一緒に行けたりしたら嬉しいです。子どもはいてもいなくてもいいので、友だちみたいな関係の夫婦をイメージしています」

 ちょっとおっとりしていて可愛げもある佐々木さん。しっかり者の女性を紹介してあげたいな、と思いました。マチコ先生に伴走してもらいながら集中して婚活をして、幸せをつかんでほしいです。

佐々木さんが毎年必ず訪れるという龍安寺にて。「有名な石庭も好きですが、石庭に入る入口の前の石垣の階段と新緑のもみじと建屋がお気に入りです」。京都好きが多いのも愛知県民の特徴かもしれません。(本人提供)
佐々木さんが毎年必ず訪れるという龍安寺にて。「有名な石庭も好きですが、石庭に入る入口の前の石垣の階段と新緑のもみじと建屋がお気に入りです」。京都好きが多いのも愛知県民の特徴かもしれません。(本人提供)

※文中の受けオネット会員は仮名です。佐々木さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方(=攻めオネット会員になりたい方)はこちらをご覧ください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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