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復活するあのロゴが表すのは「ボールが収まっているグラブ」だけではなく

宇根夏樹ベースボール・ライター
ケストン・ヒウラ(ミルウォーキー・ブルワーズ)Sep 21, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 1969年にシアトル・パイロッツとして誕生した球団は、わずか1年で移転し、ミルウォーキー・ブルワーズとなった。パイロッツ時代を除くと、来シーズンが50周年(51年目)となるのに合わせ、ブルワーズはメインのロゴを変更した。ミルウォーキーのイニシャル「M」の下に麦の穂をあしらったロゴから、右投げ用グラブのポケットにボールが収まったロゴとする。

 これは、1978~93年にメインのロゴとして使用した「ボール・イン・グラブ」のデザインを少し変え、復活させたものだ。大きく違うのはボールの向き。1本しか見えていなかった縫い目が、2本となる。

「ボール・イン・グラブ」のロゴは、公募によって決まった。1977年11月29日のミルウォーキー・センティネル紙によれば、応募総数は1931に上ったという。採用されたのは、ウィスコンシン大オー・クレア校の学生、トム・マインデルのロゴだ。

 ご存じの方も多いかもしれないが、このロゴは「ボールが収まっているグラブ」にとどまらない。それだけであれば、ベースボールではあっても、ブルワーズとは限らない。どの球団にも当てはまる。

 最初は私も気づかなかったが、よくよく見ると、ミルウォーキーのイニシャル「m」とブルワーズのイニシャル「b」の組み合わせが、「ボール・イン・グラブ」を形作っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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