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人の上に立つべき人、立ちたい人。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


今日は、「人の上に立つべき人、立ちたい人」というテーマでお話させていただきます。私は、自分の子どもが小学校5年生だった時の11月、突然、当時のPTA会長から「来年、小学校のPTA会長をやってくれないか?」と、頼まれました。私は、即座に断りました。私はPTA会長をやる器ではないし、人の上に立つのが好きではないからです。

でも、PTA会長はあきらめず、副会長と共に、何度も私の家に来ては、「どうしても、なって欲しい」とお願いしてきました。私はかなり悩み、何時間も話し合いをしたのですが、そのとき、校長先生の口から忘れられない言葉が飛び出しました。

それは私が校長先生に、「PTA会長は、なりたい人がなればいいんじゃないですか?」と言った時のことです。校長先生は、「それじゃぁダメなんですよ、竹内さん。PTA会長は、なりたい人になってもらっては困るんです。PTA会長は、なりたい人ではなく、なってもらいたい人になって欲しいのですよ」と、おっしゃいました。

私は、「はぁー」と答えたのですが、校長先生は、「次期の副会長さんも書記も会計も、『竹内さんがやるなら…』ということでオッケーしてくれたのですよ。竹内さんに今断られたら、話が全て白紙に戻ってしまうんです。だから、何としてでも、ぜひお願いします」と頭を下げるのです。私は、渋々というか、恐々(こわごわ)というか、「自分にちゃんと務まるかなぁ…」と不安に思いながら、オッケーしたというわけです。

ここまで話すと、なんだか「俺ってスゲエだろう!」「俺の人望は厚いだろう!」と自慢しているように聞こえるかもしれないので、補足説明しておきますが、その年は、人材がちょっと不足していたのだと思います。だから私に白羽の矢が立ったのだと思います。でもまたこの話も、これ以上言うと、他の親御さんたちが、まるで能がなかったように聞こえかねないので、ここまでにしておきます。

私は、1年間PTA会長を務めたのですが、副会長さんがとても優秀で有能な人だったので、無事に務めあげることが出来ました。私はホント、謙遜でも何でもなく、お飾りのような会長だったかと思います。

さて、今私がお話した例は、小学校のPTA会長のお話ですが、会社でも組織でもそうですが、上に立つ人というのは、上に立つ能力がある人が立ったほうがいいですよね。ホントそうです。上に立ちたい人が立つようでは、その下にいる人たちが大変に気の毒だと思います。

私は、カウンセラーになる前は、普通のサラリーマンをやっていたのですが、上司の中には、会社に長くいるという理由だけで上司をやっていたり、出世欲が強い人が上司をやっていたり、人に注目を浴びるのが好きだから…という理由で上司をやっていたりすることがあって、何度も口をあんぐりしたものです。

ところで、この記事をお読みのあなたは、人の上に立ちたい人ですか?

私(竹内成彦)は、違います。人の上には立ちたくない人です。
かと言って、人の下にも立ちたくない人です。何故なら私は、自由欲求が強い人だからです。でもまぁ、立派な人の下だったら、下に就いてもいいかなあとは思います。でもやっぱり、人の上の立つのは、立派な部下を持つと決まっていたとしても、やっぱり遠慮したいなあとは思います。

選択理論のグラッサー博士いわく、人間には5つの欲求があるとのことです。
1.愛と所属の欲求
2.力の欲求
3.自由欲求
4.楽しみ欲求
5.生存欲求

人の上に立ちたいと思う人は、力の欲求が強い人です。
私(竹内成彦)は、力の欲求が弱いので、人の上に立ちたいとはちっとも思いません。私は、自由欲求が非常に強い人間です。だから、人の上に立っても人の下に立っても、不自由になりそうで嫌だなあと思ってしまうのです。そう、私のような自由欲求の強い人間は、組織に属するのが向いてないです。

さて、力の欲求が強い弱いに、いい悪いはありません、
よって、人の上に立ちたいという欲求を持つこと自体は悪くないことなのですが、人の上に立ちたいのであれば、せめてそれなりの、リーダシップも含めて、抜きんでた能力を持っていて欲しいなあと思います。

能力もないくせに人の上に立ちたいばかりでは、周囲の人は迷惑この上ないです。
世の中に数多く生息する、マウントを取りたがる人、能力なしで上司になってしまった人は、お願いですから猛省して欲しいと思う次第です。


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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