英国G7会合でのドローン迎撃システムはイスラエル提供「最近の攻撃ドローンは大群・小型化・自律化」

ソフト・キルとハード・キルで迎撃
2021年6月にイギリス南西部のコーンウォールでG7サミット(先進7か国首脳会議)が開催されていた。そのG7サミットへのドローン攻撃対策に使用されていたのがイスラエルの軍事企業のラファエル社が開発したドローンドームだった。ラファエル社は3年前からイギリス軍にドローンドームと呼ばれるドローン迎撃システムを提供している。
ドローンドームは、上空からの攻撃ドローンや偵察ドローンを発覚し、検知すると電波でドローンを無効化しまい墜落させる。またはレーザービームでドローンを空中で破壊する。いわゆるソフト・キルとハード・キルの両方で上空からのドローンを迎撃する。あらゆる気候でも対応が可能。実際に英国でのG7サミットで攻撃ドローンが襲撃してきて、迎撃したかどうかは明らかにしていない。
「最近の攻撃ドローンは大群・小型化・自律化」
イスラエルのラファエル社は最近の攻撃ドローンの傾向について「最近の傾向の1つはたくさんのドローンが大群で攻撃をしてくることです。2つ目は以前よりもかなり小型化してきたことです。3つ目は自律化しようとしていることです」と分析している。
攻撃ドローンの大群が上空から地上に突っ込んできて攻撃をしてくることは大きな脅威であり、標的である敵陣に与える心理的影響と破壊力も甚大である。さらに小型のドローンであれば低コストで壊れても簡単に購入できるので効率も良い。そのためテロリストなどでも簡単に購入できるし、操作も容易であるからしっかりとドローン操作の研修を受けたプロの軍人でなくてもドローンを操作して攻撃ができる。
また攻撃に際して人間の判断が入らないでAIを搭載した兵器自身が標的を判断して攻撃を行う兵器は、自律型殺傷兵器(Lethal Autonomous Weapon Systems:LAWS)と呼ばれている。2020年3月にリビアでの戦闘で、トルコ製のKargu-2などの攻撃ドローンが兵士を追跡して攻撃を行った可能性があると、国連の安全保障理事会の専門家パネルが2021年3月に報告書を発表していた。実際の紛争で自律型殺傷兵器で攻撃を行ったのは初めてのケースであると英国のメディアのインディペンデントは報じていた。人間の判断を介さないで標的を攻撃することが非倫理的・非道徳的であるということから国際NGOや世界30か国の政府、AI技術者らが自律型殺傷兵器の開発と使用には反対している。
▼イスラエルのラファエル社がイギリス軍に提供しているドローン迎撃システム「ドローンドーム」



▼英国でのG7サミットの模様


