新型肺炎と日本の食卓 各国で食品価格上昇、日本への影響は
アジア各国の食卓への影響
新型コロナウイルス感染による肺炎(以下、新型肺炎)の流行でアジア各国において食卓への影響が広がっている。シンガポールや香港では新型肺炎への警戒が高まる中で、スーパーの陳列棚からコメなどの食料品の売り切れが続出しているという。背景にあるのは、中国からの食料供給停滞の憶測だ。各国とも食料供給への影響がないと説明するが、影響の長期化が予想されることから食料価格は上昇する傾向にある。
中国の食卓への影響
発生源の国となった中国では、14億という巨大な人口に食料を安定供給することが大きな課題となっている。実際、中国の1月の消費者物価指数は前年比で約5%上昇し、政府は価格抑制に躍起になっている。発生源である湖北省の交通封鎖後、北京等の大都市のスーパーマーケットでは、食料を蓄えようとする市民が殺到しパニックによる買いだめが起き(中国商務省)、さらに上海では食料の便乗値上げをしたスーパーが罰金処分を受ける事態も発生している。
中国政府は、地方政府に価格調査や必要に応じた食料備蓄の放出を指示し、食料価格を含む物価高騰抑制策を行っているが、事態収束の目処はまだ立っていない。というのも2月末に春節で規制していた1.2億人の出稼ぎ労働者が都市部に戻ってくるため更なる混乱が予想されるからだ。中国政府は感染拡大と物価高騰という二つの抑制策に取り組んでいるのが現状だ。
では、中国から多くの農産物を輸入し食料自給率が低い日本の食卓への影響はどうなるのであろうか?また日本の食卓には中国からどういった農産物や加工品が輸入されているのだろうか?
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