コメ価格上昇のワケ:4割の水田を休ませている国でなぜ米の品薄や価格上昇が起きるの? #専門家のまとめ
コメ価格の上昇がメディアで話題です。コメの品薄は解消されつつありますが価格が高止まりしており、消費者は困惑しています。一方でコメ農家はコスト高と低米価で生産が継続できない状況が続いていると言われます。
日本の水田は、約4割を休ませて生産を抑制している状況です。その背景にはコメ消費が戦後減少してきた食卓の現実があります。まとめ記事では令和の米騒動の課題を、最近のコメに関するニュースを読み解きながら解説します。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
コメの品薄と価格高騰の原因は、その需給を市場に任せている点、そして備蓄米の運用に柔軟性がないという点にある。このままではさらなる市場化や輸出による増産論そして政府と農協批判論が拡大し需給や価格の混乱が深刻化する可能性がある。令和コメ騒動を今後の教訓にするためには、主食のコメが安定供給できるよう政策を修正していく必要がある。具体的な改善策としては、コメ価格高騰が起きた際に備蓄米が柔軟に運用できるようにすること、コメ市場の安定性を確保しつつ備蓄米放出ができるような体制を整備することなどが上げられる。現状のままでは来年以降も同様の混乱が起きる可能性がある。農水省は、10月の関連会議で現状の深刻さを受け止め改善策を示すべきである。そこでは、コメ政策を食料安全保障の根幹に据える必要性について集中的に議論すべきと言えるだろう。