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【獣医師の警告】犬との川遊びで気をつけたい。その危険性と安全対策

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
イメージ写真(写真:アフロ)

猛暑が続いています。

こう暑いと犬の散歩に行く時間が難しいので、犬と一緒に川遊びに行こうと思っている人が多いかもしれません。

その一方で、連日のように、水難事故のニュースがあります。犬と川遊びをするときの注意点をお話しします。

なぜ、川遊びは危険があるのか?

イメージ写真
イメージ写真写真:アフロ

犬を川に連れて行く利点は、海ではないので塩水でべたべたしない、足が砂まみれにならない、木陰があって熱中症のリスクが減るなどがあります。

キャンプ場で、バーベキューをしながら川遊びもいいかな、と考えている人もいるかもしれません。

しかし、注意をしないと事故に遭う可能性があります。

・愛犬は泳げるのか?を確認してください。

「犬かき」という言葉があるので、犬はどの子も泳げると思っていませんか。

中には泳げない子もいます。猟を行うために水に入る機会が多かった犬種は水が得意で、陸の上で猟を行っていた犬種は水や泳ぐことがあまり得意ではないと言われています。水や泳ぎが得意な犬種は脚に水かきが発達していたり、被毛に水分が吸収されづらかったりなど、泳ぐことに適した体型になっています。

もちろん単に性格的に水の好き嫌いが分かれることもあると思います。シャンプーが苦手な子は、水遊びをさせない方がいいと思います。

水が好きな犬種

ニューファンドランドのイメージ写真
ニューファンドランドのイメージ写真写真:イメージマート

・ゴールデンレトリバー

・ラブラドールレトリバー

・ニューファンドランド

・スタンダードプードル

・イングリッシュセッター

などです。

上述のような水が好きな犬でも事故に遭う可能性があります。なぜ、川遊びは危険なのかを見ていきましょう。

・流れが速いところがある 

川の流れは、一定ではありません。速いところもありますし、そこだけ渦巻いているようなところもあるので、注意が必要です。

・急に深くなっているところがある

海水浴ができるような場所は、じわじわと深くなっているイメージですが、川の場合は、急に深くなっている場所があったりします。成人男性でも足が届かない箇所もあります。

もちろん、海でも急に深くなっていたり、離岸流(沖の方に向かう強い潮の流れ)があったりするので、安心できるわけではないのですが、川の方がリスクが大きいと言えるでしょう。

・足元に石や岩がゴロゴロしている

海は地面が砂であることに対して、川は地面に石がゴロゴロ落ちていたりします。

石がゴロゴロしているので、犬の肉球や飼い主の足をケガすることもあります。

滑って転んだりするリスクがあることを忘れてはいけません。

・急に増水する可能性がある

水遊びしているところは雨が降っていなくても、上流で大雨が降ったりすると急に水の量が増えることがあります。それにくわえて、前日に大雨が降っていたけど当日は晴れた場合も川遊びをしない方がいいです。

川遊びを計画する前に、天気予報を確認しましょう。突然の天候の変化により、安全な川遊びができないこともあります。

川遊びの安全対策

ライフジャケットを着用している犬のイメージ写真
ライフジャケットを着用している犬のイメージ写真写真:イメージマート

川遊びは楽しい活動ですが、安全を確保するためには注意が必要です。水辺での事故に遭わないために、以下の予防方法を遵守することが大切です。

・飼い主の水泳能力の確認

川での遊びを楽しむ前に、飼い主の水泳能力を自己評価しましょう。不慣れな場合や自信がない場合は、犬が川で溺れたら、助けにいけないのでそのよう場合は、犬と川遊びしない方がいいです。

・ライフジャケットの着用

川での遊びでは、必ず犬も飼い主もライフジャケットを着用しましょう。突然の事態に備え、溺れるリスクを軽減できます。

・飼い主はマリンシューズを履く

飼い主のマリンシューズは、靴底が柔軟で地面の状況に合わせてしっかり踏ん張れるもの、ストラップやマジックテープでしっかり足に固定できるものがあります。

・飼い主の監視

愛犬は必ず飼い主の監視下で川遊びさせるようにしましょう。

飼い主が常に愛犬の周りにいて、状況を把握し安全を確保することが大切です。

・飼い主の飲酒の制限

犬と川遊び中のアルコール摂取は避けましょう。飲酒は判断力や身体能力を低下させ、事故の原因となる可能性があります。

まとめ

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イメージ写真写真:イメージマート

無理に激しい水遊びをすることや、危険な水域に入ることは避けましょう。

川遊びは楽しさと冒険心を提供してくれるものですが、安全を最優先に考えることが大切です。これらの予防方法を遵守し、川での楽しい時間を過ごしましょう。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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