米中関係(6)
中国大陸の情勢を追ってきたが、中華民国政府の支配する台湾の情勢にも目を向けておこう。台北の蒋介石の国民政府は、自らこそが中国を代表する唯一の正統な政府であるとの立場を堅持した。対外的には、自らを「フリー・チャイナ」として宣伝した。共産主義の支配下にはない。自由な方の中国というわけであった。しかし、台湾は決して自由ではなかった。蒋介石に対する批判は許されず、住民は警察の厳しい監視下に置かれていた。海外で学ぶ留学生にも、その監視の目が及んでいた。つまり台湾はフリーではなかった。
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