韓国国会に提出された「反日法案」の主導者は「日韓パートナーシップ宣言」を交わした金大中元大統領の子息
韓国与党「共に民主党」の議員12人が14日、1919年の「3.1独立運動」と1960年の「4.19学生革命」の理念を継承し、歴史歪曲行為および日本帝国主義を称賛する行為を防止する内容を骨子とした「歴史歪曲防止法」制定案を共同発議していた。
代表発議者である「共に民主党」の金容民最高委員によると、「歴史歪曲防止法」が成立すれば、韓国国内で旭日旗を使用したり、旭日旗を象徴するような造形物の使用、展示、あるいは流布した場合、10年以下の懲役または2億ウォン(約1930万円)以下の罰金が科せられることになる。昨年7月に同じ党所属の辛正勲議員が似たような法案「日帝戦犯旗使用及び親日反民族行為正当化処罰法」を発議した際には3年以下の懲役または3千万ウォン以上の罰金だったが、今回、刑罰が一段と重くなった。
昨年9月に財産を過少申告したとして与党から除名され、無所属となったため今回の発議者の中にその名はなかったが、この法案を主導したのは1998年に小渕恵三総理(当時)との間で「日韓パートナーシップ宣言」を交わした金大中元大統領の三男、金弘傑議員である。というのも、金議員は与党時代の昨年8月に親日派を処罰する刑法改定案をすでに提出していた。
(参考資料:韓国歴代大統領の「反日度」 1位~10位までのランキング)
「旭日旗」を日本軍国主義の象徴とみなしている金議員は昨年4月の国会議員選挙で初当選した元ハンドボールバルセロナ五輪金メダリストの林五卿議員をはじめ新人議員9人及び3回生の金炅俠議員と2回生の金映豪議員らに呼びかけ、「歴史を正す」シリーズの第一弾として刑法改正案を提出していた。
金議員は当時、改定案を提示した理由について「日本帝国主義の旭日旗を我が国で目にすることが多くなった。旭日旗の下で被害を受けた多くの国民のため旭日旗の公然たる使用と展示を禁止する必要がある」と語っていたが、金議員はこの時、叙勲を受けた日本人を含む外国人が嫌韓発言などで韓国の国格を棄損した場合、叙勲を取り消す叙勲法改定案も併せて提出していた。
金議員の「親日派排除」の動きはこれに留まらず「国立墓地設置及び運営に関する法律改定案」も提出していた。この法案は新日反民族行為真相究明委員会によって親日反民族行為者と定められ、叙勲が取り消されたの者の国立墓地埋葬を禁じる案である。法案が可決すれば、「親日派」のレッテルを貼られた人物の墓を掘り起こし、顕忠院(国立墓地)から移さなければならない。金議員は日本で言うところのこれら「反日」の全ての法案の代表発議者であった。
与党「共に民主党」の議員12人が提出した今回の制定案には「3.1独立運動」と李承晩政権を倒した1960年の「4.19学生革命」の理念の継承が盛り込まれたうえ歴史歪曲行為および日本帝国主義を称賛する行為を防止する内容を骨子としていることから最大野党の「国民の力」の金起ヒョン党代表代行は「憲法の価値である、表現の自由を侵害することはないか」との懸念を示しているものの野党の若手議員の中には同調する動きもあり、また国会(300議席)のうち与党が過半数をはるかに上回る180議席を占めていることから新たに発足した与党執行部(宋栄吉代表=5回当選)がその気になれば、法案が通る可能性が大である。
(参考資料:「対馬」の奪還を!? 保守の牙城・慶尚北道議会で野党議員が提唱!)
政府与党が法案を成立させるかどうか?文在寅政権の今後の対日関係を占ううえで目が離せない。