オートバイのあれこれ『国産バイク史上、最も有名な和名モデル(後編)』
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今日は『国産バイク史上、最も有名な和名モデル(後編)』をテーマにお話ししようと思います。
『CBX』や『FZR』のように、英語のアルファベット羅列で表されることが大半のオートバイの車名。
ただその一方、日本語の単語(もしくは外国語の単語)で呼ばれ有名になったモデルというのもいくつかありました。
今回は前編の『カタナ』に続いて、あのモデルをご紹介。
◆後編 ー カワサキ 『GPz900R』ー
「GPz900R?どこが和名なんだよ!」というツッコミが聞こえてきそうですが、少し説明をさせてください。
今ではカワサキの商品ブランドとしてすっかり定着している『Ninja(ニンジャ)』。
カワサキのウェブサイトを覗くと、『Ninja H2SX』や『Ninja1000SX』等が現行モデルとしてラインナップされていますね。
この『ニンジャ』という和名が初めて使われたのが、今回取り上げている『GPz900R』です。
(現在もGPz900Rは「元祖ニンジャ」と呼ばれることが多いので、ご存知の方も少なくないでしょう)
GPz900Rがデビューしたのは、1984年(昭和59年)のこと。
当時アメリカでは、「SHOGUN」(将軍)などのような日本固有の文化を象徴する言葉が流行していました。
そうしたなか、カワサキの北米法人が900Rのリリースに際して「『Ninja』という名前にしよう」と神戸のカワサキ本社へ持ちかけたのです。
そして、900Rはアメリカにおいては『Ninja900』と紹介され、ここから世界的に“GPz900R=Ninja”となっていったのでした。
ただ、900Rにおける『Ninja』は正式な車名というよりもペットネーム的な意味合いが強く、ここが前編でピックアップした『GSX1100S KATANA』と大きく異なるところです(=『GPz900R Ninja』とは表記されない)。
万国共通の正式名称ではないにせよ、この初代『Ninja』は高性能だったことも相まって世界的に支持を集め、やがてカワサキのスポーツバイク全般を指すワードへと変遷していったのでした。
さて、今回はオートバイのディティールではなく車名にフォーカスを当てたので、車両詳細については省かせていただきますね。