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オートバイのあれこれ『国産バイク史上、最も有名な和名モデル(後編)』

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。

今日は『国産バイク史上、最も有名な和名モデル(後編)』をテーマにお話ししようと思います。

『CBX』や『FZR』のように、英語のアルファベット羅列で表されることが大半のオートバイの車名。

ただその一方、日本語の単語(もしくは外国語の単語)で呼ばれ有名になったモデルというのもいくつかありました。

今回は前編の『カタナ』に続いて、あのモデルをご紹介。

◆後編 ー カワサキ 『GPz900R』ー

▲GPz900R(1986年式)〈画像引用元:川崎重工〉
▲GPz900R(1986年式)〈画像引用元:川崎重工〉

「GPz900R?どこが和名なんだよ!」というツッコミが聞こえてきそうですが、少し説明をさせてください。

今ではカワサキの商品ブランドとしてすっかり定着している『Ninja(ニンジャ)』。

カワサキのウェブサイトを覗くと、『Ninja H2SX』や『Ninja1000SX』等が現行モデルとしてラインナップされていますね。

▲現行モデルの『Ninja H2SX』〈2023/画像引用元:川崎重工〉
▲現行モデルの『Ninja H2SX』〈2023/画像引用元:川崎重工〉

この『ニンジャ』という和名が初めて使われたのが、今回取り上げている『GPz900R』です。

(現在もGPz900Rは「元祖ニンジャ」と呼ばれることが多いので、ご存知の方も少なくないでしょう)

GPz900Rがデビューしたのは、1984年(昭和59年)のこと。

▲初期型(A1モデル)の900R。カウル側面には「GPz900R」と入る〈1984/画像引用元:川崎重工〉
▲初期型(A1モデル)の900R。カウル側面には「GPz900R」と入る〈1984/画像引用元:川崎重工〉

▲北米仕様の900R。カウル側面には「Ninja」の文字〈1985/画像引用元:川崎重工〉
▲北米仕様の900R。カウル側面には「Ninja」の文字〈1985/画像引用元:川崎重工〉

当時アメリカでは、「SHOGUN」(将軍)などのような日本固有の文化を象徴する言葉が流行していました。

そうしたなか、カワサキの北米法人が900Rのリリースに際して「『Ninja』という名前にしよう」と神戸のカワサキ本社へ持ちかけたのです。

そして、900Rはアメリカにおいては『Ninja900』と紹介され、ここから世界的に“GPz900R=Ninja”となっていったのでした。

ただ、900Rにおける『Ninja』は正式な車名というよりもペットネーム的な意味合いが強く、ここが前編でピックアップした『GSX1100S KATANA』と大きく異なるところです(=『GPz900R Ninja』とは表記されない)。

万国共通の正式名称ではないにせよ、この初代『Ninja』は高性能だったことも相まって世界的に支持を集め、やがてカワサキのスポーツバイク全般を指すワードへと変遷していったのでした。

▲私(筆者)もかつては『ニンジャ』オーナーでした
▲私(筆者)もかつては『ニンジャ』オーナーでした

さて、今回はオートバイのディティールではなく車名にフォーカスを当てたので、車両詳細については省かせていただきますね。

★GPz900Rのモデル紹介についてはこちらの記事にてどうぞ

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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