オートバイのあれこれ『Z1を超えろ。空冷Zを継ぐニュー・フラッグシップ』
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今日は『Z1を超えろ。空冷Zを継ぐニュー・フラッグシップ』をテーマにお話ししようと思います。
「ニンジャ」。
このワードを聞いて、バイクファンの皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。
若い世代の方だと、『ニンジャ250』や『ニンジャ1000』などをイメージする人も少なくないでしょう。
一方、バイク歴の長いベテランライダーの方であれば、おそらくこちらのオートバイを想起する人が多いのではないでしょうか。
『GPZ900R』。
「元祖ニンジャ」として現在も熱烈なファンの多い、カワサキが誇る名車の一つですね。
GPZ900R(デビュー時の表記は『GPz900R』)は、1984年(昭和59年)に登場。
1972年デビューの『900SUPER4』(Z1)以降、カワサキのフラッグシップを担い続けてきた空冷Zに次ぐ、次世代のモデルとして鮮烈デビューを飾ります。
カワサキが“新世代の最高峰パワーユニット”として生み出した水冷4バルブの4気筒エンジンを搭載しリリースされたGPZは、ピークパワー115psを発揮。
115psというスペック自体は特段強力ということでもなかったものの、既存の空冷モデルより軽量&コンパクトな車体と、空気抵抗を徹底的に削減した車体デザインが功を奏して、GPZは当時の世界最速となるトップスピード約250km/hを達成しました。
また、16インチの前輪などにより車体の運動性も優秀で、カワサキは見事「空冷Zを超える新時代のスポーツバイク」としてGPZを打ち出すことに成功したのでした。
スズキ『GSX1100S カタナ』、ホンダ『CB1100R』等、当時はすでにリッターオーバーのスポーツモデルがいくつかありましたが、GPZが1,000ccに満たないエンジンでそれらリッタークラス勢を追い落としたのは、なかなか痛快な出来事だったといえるかもしれません。
そしてGPZといえば、そのスタイリングデザインが最大のポイント。
エッジの効いた鋭いカウルデザインは、今見ても飽きない新鮮味で溢れています。
『Z1000Mk.Ⅱ』といった「角Z」の面影もどことなく感じられるシルエットで、カワサキにしか成し得ないデザインワークなのではないでしょうか。
技術・ノウハウが格段に進化した現在、GPZなんかよりも複雑で凝ったデザインのオートバイというのは無数にありますが、どれだけオートバイのデザインが発展しようとも、このGPZの唯一無二のスタイルは、永久に色褪せることはないでしょう。