借金1のチームと借金2のチームのトレード。3年連続65登板以上&今年40登板のリリーフ投手が移籍
7月9日、ニューヨーク・メッツは、金銭あるいはPTBNL(後日決定選手)と交換に、タンパベイ・レイズからフィル・メイトンを獲得した。
メイトンは、31歳のリリーバーだ。過去3シーズンとも65試合以上に登板し、今シーズンの登板も、40試合を数える。
もっとも、その前のシーズンを含め、防御率が3.00を下回ったことは一度もない。今シーズンの防御率は4.58だ。また、今シーズンの奪三振率7.64は自己ワーストより低く、与四球率4.58は自己ワーストより高い。
トレードの時点で、メッツ(ナ・リーグ東地区)は44勝45敗、レイズ(ア・リーグ東地区)は44勝46敗だった。地区首位との差は、13.5ゲームと13.0ゲーム。両チームとも、勝敗と地区首位とのゲーム差は、ほとんど変わらない。
ただ、ワイルドカードの3番手との差は、少し違う。メッツが2.5ゲーム差、レイズは5.5ゲーム差だ。
メッツは、ここからもう少し浮上すれば、トレード・デッドラインまでに、買い手として動く可能性もある。そうするかどうかを見定める前に、プロスペクトを手放すことなく、ブルペンに人員を加えたように見える。
メッツでは、セットアッパーの2人、ブルックス・レイリーとドルー・スミスが、肘を痛め、4月と6月にシーズンを終えた。また、ショーン・リード-フォーリーも、肩を痛め、先月下旬から故障者リストに入っている。
一方、レイズは、売り手に回りそうな気配だ。今月3日には、先発投手のアーロン・シバーレをミルウォーキー・ブルワーズへ放出し、マイナーリーガーの遊撃手、グレゴリー・バリオスを獲得している。
もっとも、移籍前のシバーレは、先発17登板で防御率5.07だった。シバーレとメイトンに代わる形で、ローテーションとブルペンには、AAAから昇格したシェーン・バズとマニュエル・ロドリゲスが加わった。
バズは、2017年のドラフト全体12位だ。2022年の開幕前には、ベースボール・アメリカもベースボール・プロスペクタスも、プロスペクト・ランキングの全体8位にバズを挙げていた。2022年の秋にトミー・ジョン手術を受け、今年5月にAAAでマウンドへ戻った。
バズについては、6年前にピッツバーグ・パイレーツからレイズへ移った際に、こちらで書いた。
◆「エースと交換に得た「3人目の選手」は、ただのPTBNLではなかった」
レイズは、トレード市場で売り手に回ることなく――買い手に回るかどうかはさておき――ポストシーズン進出をめざすかもしれない。メッツだけでなく、レイズも、7月9日の試合に勝利を収めた。