サッカー男子の”守護神候補”大迫敬介は東京五輪の開催延期もポジティブに受け入れる
東京五輪の”1年程度の延期”が決まり、各競技のアスリートたちも大きな影響を被っています。
サンフレッチェ広島の大迫敬介は森保一監督が率いるU-23日本代表で、守護神の最有力候補と見られてきました。99年生まれ、現在20歳の大迫は1年延長による年齢制限の特例措置が取られなくても出場可能ですが、1年変われば様々な状況が変わり得ます。
しかしながら、大迫は「もう1回1年間準備する期間ができたのかなと僕は捉えているので、全然ネガティブには捉えてないです」と語り、ライバルたちとの競争も”刺激し合える”とポジティブに受け入れます。
ーー開幕戦後、新型コロナウイルスの影響で延期になっているJ1の再開が5月9日に決まりました。最初の延期から始まり3月18日、4月3日、そこから再々延期となりますが、どう過ごしていきたいですか?
「それに向けて期間は空きますけど、もう1回チームの底上げだったり成熟度を上げていければと思っていますし、そのための良い時期と考えています」
ーーGKとして取り組むべきことは?
「もう1回ゴール前での連携の部分だったり、どういう風に守っていくのか。そこの連携を深めていく機会だと思います。チームとして広島は強固な守備が武器だと思うので、チームとしてどういう守り方をするのかを1ヶ月間でやっていきたいなと思います」
ーー開幕戦で鹿島アントラーズに良い勝ち方をして、かなり経ってしまってますが、その良い感触は持ちながら?
「キャンプから取り組んで来たことがうまく出ましたけど、逆にそこから他のチームが上げて来ると思う。同じようにしていたら勝てないので、この1ヶ月間で、自分たちがこれまで詰めて来たものを上げて行きたいですし、自分としてもゴール前のクオリティをもう一段階上げたい」
ーー東京五輪が来年に延期となりましたが、U-23代表で一緒だった小島亨介選手がJ2のアルビレックス新潟で開幕戦に出場したり、ライバルも頑張っています。GKという難しいポジションですが、徐々にライバルも出番を得て成長してきそうですね。
「オリンピック世代は試合に出たい選手が多いと思っていますし、もちろん僕も刺激をもらってますけど、逆にそういう選手たちにも刺激を与えながら、お互いですね」
ーーアンダー代表でずっと一緒だった京都サンガの若原智哉選手も開幕戦はベンチでしたが、自分が取材した沖縄キャンプではガンバ大阪との練習試合でスタメンでしたし、すごく意欲的にチャレンジしている様子です。
「そうですね。彼は同時でずっとやって来た選手ですし、そういう選手が活躍することで刺激をもらえるので、刺激をし合いながらやって行きたい」
ーー昨年のU-20W杯メンバーで、U-17W杯でゴールマウスを守った鈴木彩艶選手も浦和レッズでベテランの西川周作選手を脅かす存在にまでなってきています。
「まだ一緒にやったことはないですけど、これから先にはライバル関係になっていくと思うので」
ーー自分の取り組んでる課題は?
「最後の最後でやられない、チームが崩されても最後に自分が立ちはだかって守ればやられないですし、そのゴール前の存在感だったり、やられそうな場面で防ぐ自分の存在感を出していきたいと思います」
ーー練習でも1回1回すごく声が出ていました。
「強くこだわりながらやっているので。(声での発信は)やっぱり延期延期になってしまうとどうしてもネガティブになりそうなところですけど、そういったところで一番後ろの選手がチームを盛り上げる声だったりを出していけるのかなと思いますけど」
タイで行われたAFC U-23選手権ではグループリーグ敗退という大きな挫折を味わいました。大迫は「自分たちがどれだけボールを持ってても最後、やられてしまったら、やっぱり結果が全てだなと強く感じた」と振り返ります。
「最後のところでやらせない、いくらボールを握られても最後のところでやられなければいいくらいの感覚で自分はゴールマウスの前に立てればいいと思います」
ーー最終的には金メダルを?
「そうですね。(そのためには)1つ1つの試合を確実にモノにすることが大事だと思っています」
ーー中断でずっとJリーグの再開を待ち続けているサポーターにメッセージをお願いします。
「やっぱりサポーターの存在が本当に、自分たちの活力になっているとあらためて思うので、早く待っているサポーターに自分たちがサッカーをしている姿を見せたいと思います」
(写真:著者撮影)