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6/15にラスベガスで開催されるビッグマッチ

林壮一ノンフィクションライター
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 29戦全勝27KOのWBAライト級王者、ジャーボンテイ・デービスが、6月15日にリングに上がる。2023年4月22日に、ライアン・ガルシアを破壊して以来のファイトだ。

 場所はラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナ。28戦全勝24KOのWBCスーパーミドル級暫定チャンピオン、デビッド・ベナビデスと、過去に同ライトヘビー級の正規タイトルを保持していたオレクサンドル・グウォジクとの一戦に、デービスも組み込まれることとなった。

デビッド・ベナビデス
デビッド・ベナビデス写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 デービスの相手は、昨年7月にWBCライト級挑戦者決定戦を制したフランク・マーティン。18戦全勝12KOのサウスポーだ。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions フランク・マーティン
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions フランク・マーティン

 マーティンがデービスへの挑戦権を獲得したアルテム・ハルティウニアンとの一戦は、サバイバルと呼ぶに相応しいものだった。試合開始時点でマーティンは17戦全勝12KO、ハルティウニアンは12戦全勝7KO。プロデビュー以来連勝街道を走る者同士は意地と意地、そしてテクニックを駆使したぶつかり合いをみせた。

 リオ五輪で銅メダリストとなったハルティウニアンは、米国が敵地であることを十二分に認識しており、序盤から激しいプレッシャーをかける。マーティンもカウンターを狙って応戦するが、ペースを握ったのはアルメニア出身のドイツ人だった。6ラウンドまでの採点は、全てのジャッジが58-56で、ハルティウニアン優勢としていた。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 だが、マーティンは強靭なハートを武器に、粘りを見せる。トレーナーのデリック・ジェームズから「倒せ!」と鼓舞され、ひたすら前に出て、手数で上回る。

 第11ラウンド終了間際には、細かなコンビネーションから右フックを見舞って、ハルティウニアンをダウン寸前にまで追い込んだ。そして最終ラウンド、左目が塞がったハルティウニアンを追い、左右の連打を放ってドイツ人ファイターからプロ生活初のダウンを奪って、3-0の判定勝ちを収めた。

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions

 どちらがメインイベントとなるかの発表はまだだが、いずれにしてもワクワクする興行だ。

デビッドと、実父にしてトレーナーであるホセ・ベナビデス・シニア
デビッドと、実父にしてトレーナーであるホセ・ベナビデス・シニア写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 デビッドの父親でトレーナーのホセ・ベナビデス・シニアは言う。

 「デービスと同じイベントで戦えるのは光栄だ。彼も私たちと同じ夜にファイトすることに満足しているよ。それだけでも視聴者が増えるさ。エキサイティングな興行になる。私たちはとても興奮している」

Ryan Hafey/Premier Boxing Champions  昨年4月、ガルシアを壊したデービス
Ryan Hafey/Premier Boxing Champions 昨年4月、ガルシアを壊したデービス

 6月15日、見る人に最も強いインパクトを与えるのは誰か。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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