山菜の王様タラの芽とレアな山菜ハリギリの芽の特徴を解説しながら食べ比べ
山菜としてつとに有名なタラの芽、あまり知られていないが美味しい山菜ハリギリの芽はどちらもウコギ科の樹木の新芽です。
タラの芽のミニ知識
皆さんご存知タラの芽は樹木タラノキの新芽です。
以下はタラノキの特徴です。
- タラノキはウコギ科の落葉低木。
- 林道脇や林の外周などの陽当りが良く、他の高木などが生育していない環境にいち早く侵入して生える先駆植物の性質がある。
- タラノキは土地開発などで切り崩した場所や崖崩れの跡地など他の植物が生えていない土地にいち早く侵入して生えている事が多い。
- タラノキが生えている場所に他の高木が育ち始めるとタラノキはいつの間にか消滅してしまう。
- 樹高は最大でも4m前後とあまり大きくはならない。
- 幹には一面に鋭いトゲが生えている。
- 葉の付き方は羽状複葉で1枚の小葉の大きさは5〜12cm、それらを集めた羽状複葉の柄の長さは50〜100cm位になる。
スーパーマーケットで売っているタラの芽は見たことが有っても、自然の中に自生しているタラの芽を知っている人は少ないのではないでしょうか?
自然の中で育ったタラの芽はスーパーマーケットで売られている栽培された物とは比べようがないくらい美味しいものです。
ハリギリの芽のミニ知識
ハリギリの芽は文字のごとく樹木ハリギリの新芽です。
以下はハリギリの特徴です。
- ハリギリはウコギ科の落葉高木。
- 幹は直立し、高さ10〜20m、大きいものは30mになる。
- タラノキのような先駆植物の性質は無く、他の高木に混じって林の内部にも生育する。
- 幹には一面に鋭いトゲが生えているが、老木になると太い幹にはトゲが無くなる。
- 葉はカエデのような形の掌状で径は10〜25cmと大きく、まるで天狗のうちわのようである。
- 若芽は山菜として利用できる。
- 味はタラの芽に近くとても美味しい。
ハリギリの芽はまず販売されていませんので自分で野山に出かけて採取するしかありません。
タラノキとハリギリの特徴を写真を並べて見比べてみましょう
まずは幹です。
ハリギリは高木になるため太い幹は両手で抱えても抱えきれないほどにまで成長します。
タラノキは低木のため幹は太くなっても人間の腕の太さ程度です。
幹には棘があり、タラノキの棘は密、ハリギリの棘はまばらで個々の棘はタラノキよりも大きめです。
次は芽の状態です。
芽はどちらも幹の先端に付きます。
ときおり幹の中間位置から出ることもあります。
最後に成長した葉の状態です。
成長した葉の形はタラノキとハリギリでは全然違います。
この成長した葉を見れば、それがタラノキかハリギリかは一目瞭然です。
タラの芽やハリギリの芽を採取する時の注意点
タラの芽、ハリギリの芽、共に採るのは最初に芽吹く1番芽だけにします。
1番芽を採っても、数日から数週間で採った跡から2番芽が芽吹く為、木が枯れる事はありません。
ちなみに、2番芽を採ると3番芽が出ると言われており、この3番芽を採ってしまうと木は枯れてしまいます。
2番芽、3番芽は1番芽より硬く、あまり美味しく無い事もあり、翌年の為にも採るのは1番芽だけにした方が良いでしょう。
尚、1番芽と言うのは幹の一番上に付いている芽と言う意味では無く、春に最初に芽吹く芽、と言う意味です。
ハリギリやタラノキは時たま幹の途中から芽吹く事もあるが、この場合でも最初に出た芽は一番芽となります。
タラの芽やハリギリの芽を食べる時の調理のコツ
タラの芽もハリギリの芽も天ぷらで美味しく食べる事ができます。
たくさん採れた時はお浸しなどにしても美味しいです。
採取して持ち帰ったら、幹に付いていた部分には木質化した硬い部分がありますので、これは取り去ります。
この硬い部分を取り去れば下処理は完了です。
後は天ぷらなら衣を付けて揚げる、お浸しなら短時間茹でるだけです。
今回は天ぷらにしてみましょう。
市販の天ぷら粉で作った衣を付けて揚げるだけです。
山菜の天ぷら全般について言えることですが、高めの温度の油で短時間でカラッと揚げるのが美味しい山菜天ぷらを作るコツです。
タラの芽もハリギリの芽も天然物は貴重な山菜です。
見つけたら取り過ぎには注意して春の逸品を美味しく頂きましょう。
最後までご覧頂きありがとうございます!!
この記事は動画でもご覧頂けます(動画では食べ比べのシーンもあります)↓