《なぜなぜ期》子どもの疑問にどう答える?無理なくできる好奇心を奪わない関わり
こんにちは!保育士ごんちゃんです。
「無理しない育児」をモットーに、保育士として地域の子育て支援事業に従事しながら、オンラインでも育児に関する情報発信をしています。
そして私も現役の子育て世代で、3人姉弟の育児に日々奮闘しています。
先日、子育て中のお母さんより、4歳のお子さんに関するこんなお悩みをいただきました。
【お悩み相談内容】ペンネーム:ほしうめさんより
子どもが道端の草花をちぎることについてどう対応されているかお聞きしてみたいです。
我が家の子どもは4歳男の子、保育園に通っています。保育園の行き帰りやお休みの日のお散歩で、道端に生えている草花に興味を持ち、ちぎったりするようになった1年前頃から、『お花や草も生きているからちぎっちゃいけないよ』と伝えることがありました。
私の思考としては、自然と触れ合うことも大切と思う反面、人が育てている花をちぎったりしてはいけないと思い、まだ区別がつかないから、そう伝えていました。 ただ、子どもの興味関心を奪うようで迷いもありました。
そして、あるとき、『保育園のお散歩では先生もお友達もちぎってるよ。これは○○ってお花なんだってー』と言われました。息子はお母さんにはちぎっちゃダメと言われるのに、保育園では良いということに混乱しているようでした。そこで『人が育てているお花はダメだけど、公園や道端の小さな花や草はいいよ。』と伝えました。
そんな折、花屋さんに切花を買いに行った帰り、息子が『お花屋さんは花を切ってもいいの?』と聞いてきて、何と答えてよいのか迷ってしまいました。
今は息子が一人で行動することはないので、人の育てた花をちぎったりすることはないですが、小学生になれば登下校もあるので、その時に区別がつけられるようになればいいかなーと思いつつも、私が先回りして考えすぎて、今息子が混乱する状況にしてしまい、とても反省しています。
私もHSP気質ですが、息子も繊細気味ですし、物事を深く考え、よく覚えている傾向があります。
花だけでなく、虫についてもつぶしたりしちゃいけないと伝えているのに、家の中に蚊がいたら叩いている私に、え?という息子。
ごんちゃんは保育士さんでありお母さんとして、このようなことに、どう対応されているかお時間ありましたら教えていただきたいです。
今回はこちらのご相談にお答えしながらお話をしていきます。
対応に迷う子どもの疑問
今回のご相談は、お子さんが草花や生き物に興味を持っているけれど、その時にどう対応すればいいか迷うことがあるということですね。
お子さんが身の回りの出来事によく気がついて、疑問を持てるようになるというのは、一つの成長でもありますし、素晴らしい才能でもあります。 その一方で、対応する親としては伝え方や教え方に迷うこともありますよね。
そんな時はあまり深く考えすぎず、保護者の方がこう思う、普段こうしているということを、その時の子どもにわかるように話してみるのがよいのではないでしょうか。
今回のご相談者さんは、「道端に生えている草花に興味を持って、ちぎったりするようになった時は、 お花や草も生きてるからちぎっちゃいけないよ」と伝えていて、「まだ区別がつかないから、そんなふうに伝えていました」とのことで、お子さんの成長段階と理解度に合わせたお話をされていて、とてもいいなと感じました。
そして次に「普段ちぎってはいけないと聞いて理解してるお花について、お花屋さんは切っている」というのを見て、子供は「なんでだろう?」と疑問を浮かべているんですよね。
新しい疑問が生まれた時はチャンス
こういったイレギュラーなケースを見た時に疑問を持つという反応は、子どもの中に「普段の当たり前」というのが出来上がってないと生まれないんです。
きっと相談者さんのお子さんは普段からよくお母さんの話を聞いて理解しているんだろうなと感じました。
新しい疑問が生まれた時は、ある意味チャンスなんです。お子さんの理解が次のステップに進んでいると思って、その時にお母さんが思うことを伝えてあげるといいですね。
お母さんとのお散歩中にお子さんが「保育園のお散歩では先生もお友達もちぎってるよ」と言った時、「お母さんにはちぎっちゃダメって言われるけど、保育園ではいい」ということに混乱している様子だった。そこでお母さんが、「人が育てているお花はダメだけど、公園や道端の小さな花や草はいいよ」と伝えたことは、まさにお子さんが疑問に思ったことに対する回答で素晴らしいなと感じました。
ご相談者さんは「子どもが小学生ぐらいになれば自分で登下校することもあるから、その時に区別がつけられるようにと思いつつ、 先回りして考えすぎて混乱する状況にしてしまってとても反省している」とおっしゃっていますが、反省することは一切ありません。 このままの関わりをしていただけたら、それで十分だと率直に思いました。
親の言うことが短期間でコロコロ変わると、子どもが混乱してしまうことは確かにあります。ですが、 子どもの成長や発達とともに理解度も上がっていくので、それに伴って親が話す内容が変わっていくということに関しては問題ありません。
子どもの気づきに合わせて答えを発展させよう
花だけでなく虫や生き物を大切にした方がよいということも、子どもに教えていきたいことです。しかし、虫に関して言えば害虫まで大切にした方がよいわけではないですよね。子どもも大人も安全に生きていく上で、毒を持った虫や危害を加えるものからは身を守ることも教えていかなければなりません。
そのため、子どもの気づきや疑問に合わせて、少しずつ複雑な内容も教えていけるとよいですね。
例えば、蚊を叩いているのを見て子どもが「え?」と反応した時には、「蚊は人を刺してくることがあって、蚊に刺されると痒くなったり、痛くなったり、病気になっちゃうこともあるんだよ。だから、蚊は外に逃がすか、家の中にいたらやっつけた方がいいんだよ。」と伝えるとよいと思います。
大人は当たり前にしていることでも、ひとつひとつ子どもに教えていくことが必要になってきます。 蚊だけでなくムカデや蜂など、それぞれの虫に対して大人は何気なく対処していますが、蚊と蜂ではちょっと対処法が違います。
でも、子どもにとってはひとつひとつ、「なんでこれはこうなのに、こっちは違うんだろう」という疑問が湧いてきちゃうんですよね。これはその都度、子どもの疑問に対して答えていけばよいと思います。
興味関心が広がる「なぜなぜ期」
時に、子どもが思いもよらない質問をしてくることはありませんか?
例えば、「空はなんで青いの?」や「どうして雨が降るの?」など、大人にとっては当たり前で、疑問にさえ思わないようなことに子どもは疑問を持つんですよね。
大人の自分たちも、そんなことを考えて生きていないし、 なんと答えたらよいのかわからない、自分も知識がなくて答えようがないということがあります。 しかし、そんな時に正しい答えを教えなきゃいけないと思う必要はありません。
「いいところに気がついたね」「そんなふうに疑問に思ったんだね」など、子どもの好奇心や質問の着眼点を認める声かけをしてあげましょう。
このように子どもが何に関しても、「なんで?なんで?」と疑問を持つ時期を「なぜなぜ期」と言うことがあります。これは、子どもの自我が芽生える「イヤイヤ期」の次に来る成長段階として、3〜4歳ぐらいからよく見られるようになります。ご相談者さんのお子さんもまさにこの時期にいるのかもしれませんね。
「イヤイヤ期」のお子さんが自分のことで 精一杯な時期だとしたら、「なぜなぜ期」のお子さんは少しずつ自分だけでなく周りにも興味関心が広がってきている時期だといえます。
様々なことに「なんで?なんで?」と聞かれると親は大変なこともありますが、子どもにその場で正しい答えをすぐに伝える必要はありません。
親の自分も改めて知りたいような疑問だったら、その疑問をきっかけに一緒に調べてみるのもいいですよね。また、自分が調べて後で教えることもできますし、学びを広げるいいチャンスにもなりそうです。
正しい答えよりコミュニケーションを楽しもう
そして、その疑問に対して「そんなふうに思ったんだね」「いいところに気が付いたね」と子どもの着眼点や疑問を認める声かけをしつつ、「なんでなんだろうね?」と返すだけでもよいと思います。 「お母さんもよくわからないから知りたいな、なんでかな?」「◯◯ちゃんはどう思う?」と子どもに聞くのも、親子のコミュニケーションとしてすごくいいですね。
子どもが求めているのは、「正しい答え」ではなく、「お母さんと話がしたい」や「お母さんに聞いたらなんて言うかな?」といったことではないでしょうか。
また、ご相談者さんがお便りの中で、「私もHSP気質ですが、息子も繊細で物事を深く考え、よく覚えている傾向があります」とおっしゃっています。HSP気質のお子さんは物事を深く考えることが一つの特徴でもあるんですよね。
HSC(Highly Sensitive Child)の概念を提唱したアメリカの心理学者のアーロン博士が、子どもがHSCかどうかを知るためのチェックリストを示しています。このチェックリストの中には、「考えさせられる深い質問をする」「物事を深く考える」というような項目があって、HSCの子どもが物事に対しても繊細な感性があるということが分かります。
そのため、相談者さんのお子さんの場合は、ちょうど「なぜなぜ期」でもあり、元々持っている感性によって色々なことに疑問が湧きやすいということもあるかもしれません。
それに対して完璧に答えないといけないと思うと、親も苦しくなってしまいます。
そこで、「よいコミュニケーションをしよう」と考えると気が楽になりますし、「正しいことを言わなければならない」ということもないですから、ぜひ親子のコミュニケーションを楽しんでいきましょう。
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今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう!