【駅の旅】空港から直結する那覇の中心・夜遅くまで賑わう町のモノレール駅/ゆいレール・牧志駅(沖縄県)
ゆいレールは沖縄唯一の鉄道
ゆいレール(沖縄都市モノレール)は那覇空港駅と那覇市郊外の浦添市にある、てだこ浦西駅とを結ぶ全長17.0キロのモノレール路線で、沖縄県唯一の鉄道である。戦前の沖縄には那覇を中心に沖縄県営鉄道が存在し、那覇郊外の与那原、嘉手納、糸満との間を結んでいたが、戦禍により完全に破壊され、戦後は長らく鉄道のない状態が続いた。その結果、那覇市内では深刻な交通渋滞を招いたため、2003(平成15)年に、戦後初めての鉄道路線として那覇空港~首里間が開通。その後、2019(令和元)年10月にてだこ浦西まで延伸した。長年、沖縄に鉄道がなかったため、開業当初は、地元の利用者にとっては、プリペイドカードや自動改札の使い方がわからず、戸惑いも見られたが、今ではすっかり地元の通勤通学客や観光客の足として定着している。現在は2両編成で運行されているが、2023年度中に一部3両化に増強する準備が進められている。
観光や買い物にはフリー乗車券がお得
観光や買い物にゆいレールを利用するなら、フリー乗車券がお得。1日券(800円)と2日券(1400円)があり、それぞれ、購入した時間から24時間、48時間有効で、何度でも乗り降り自由できる。つまり、飛行機で那覇空港に着いたあとに2日券を買えば、翌々日の同じ時間まで使えるわけだ。
牧志駅は市内の中心国際通り最寄り駅
那覇に初めて来た観光客が誰しも訪れるのが国際通り。その北の入口にあるのが牧志(まきし)駅である。
国際通りは、ファッションビルやアクセサリー、お土産屋さんから、沖縄料理やステーキなどの飲食店などがずらりと並ぶ活気ある繁華街。それでいて、南国特有のおおらかな雰囲気も漂う街で、昼間から夜遅くまで「うちなんちゅう」(沖縄人)も、「やまとんちゅう」(内地人)も、いつも多くの人々で賑わっている。
国際通りから一歩入れば、昔懐かしいアーケードの続く平和通り
そんな国際通りから牧志駅を背にして左に曲がると、平和通りというアーケード街がある。
現代風のお洒落な店が並ぶ国際通りと違って、このアーケードに入ると、なんだか昔懐かしいような昭和の佇まいの中に身を置くことができる。ここには、飲食、服飾、お菓子、泡盛などを売る店が並び、観光客だけでなく地元の人も多い。
夜の屋台村は若い人がいっぱい
夜になると、このあたりはいっそう賑やかになる。牧志駅から3分ほどの場所にある屋台村には、手頃な値段で呑める個性的な飲食店がズラリ並んでいる。ここは、特に若い人が多く、狭い店内で膝をつき合わせて、オリオンビールや泡盛を呑みながら毎晩のように盛り上がっている街なのだ。
牧志で見つけた落ち着いた居酒屋さん
そんな国際通り近くで見つけた落ち着いた居酒屋さんが「どぅしぐわぁ~」。この店の名は沖縄の方言で「友達」という意味だそうだ。
石垣島出身という若い大将の作る沖縄料理は、まずは「もずく酢」に「あぐー餃子」。あぐーとは、沖縄の黒豚のこと。そして筆者の好物の「ふーちゃんぷる」。沖縄料理というと「ゴーヤちゃんぷる」が有名だが、なぜか筆者は、麩と野菜やハムなどを炒めた「ふーちゃんぷる」が好きなのだ。
オリオンビールに続いて呑む泡盛は大将の出身地石垣島の「白百合」。手作りで限定醸造の酒で、氷で割ってすっきりとした飲み口で、かすかに甘みを感じるかもしれない。やはり、泡盛は沖縄で呑むのが一番旨いのである。
泡盛は種類が豊富
このほか、この店には「請福」、「残波」、「久米仙」などの定番のほか、与那国島の60度の「どなん」、日本最南端の波照間島の「泡波」などの珍しい泡盛もあり、飲み比べてみると楽しいかもしれない。
でも、その日はそこまで呑むと宿に帰れなくなるといけないので、楽しみは、また那覇を訪れる時までとっておくことにした。
店から、牧志駅まではぶらぶら歩いて7分ほど。途中のコンビニで、泡盛のワンカップをみつけたので、思わず買ってしまった。
【テツドラー田中の「駅の旅」㉘/沖縄都市モノレール/牧志駅/沖縄県那覇市牧志三丁目】