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外出自粛で再注目! 百花繚乱の「動画配信サービス」、おすすめは?

碓井広義メディア文化評論家
実相寺昭雄監督所蔵品(筆者撮影)

気がつけば、今や「動画配信サービス」も百花繚乱。一人で何種類ものサービスを利用している人も多いでしょうし、逆に、昨今の外出自粛をきっかけとして、「これから導入です」という人もいるかと思います。

先日、雑誌の取材を受けました。テーマは、「おすすめの動画配信サービスと作品」です。

記事になるのは、記者さんにお伝えた中のほんの一部だと思いますので、話の概要をざっとまとめてみました。参考にしていただけたら幸いです。

おすすめの「動画配信サービス」

まず、動画配信サービスですが、1つ目は、「Amazon Prime Video」を挙げました。「Amazon Prime」の利用者なら無料という太っ腹なサービスであり、何より、新旧のメジャーな映画作品が大量に並んでいるのが有難いですね。

次が、「ディズニーデラックス」になります。ディズニー、ピクサー、スター・ウオーズ、マーベルという4大ブランドの作品が、月700円で見放題というリーズナブルな設定が嬉しいです。

そして3番目は、テレビ局が運営する中から選んで、フジテレビの「FOD(フジテレビオンデマンド)プレミアム」にしました。

最大の魅力は、日本のテレビドラマ史上に燦然と輝く、90年代から2000年代初頭にかけてのヒット作の数々が見られることでしょう。月額888円(フジテレビらしく8並び)です。

各サービスの個人的「おすすめ作品」

記者さんからは、それぞれの動画配信サービスでの、個人的「おすすめ作品」も問われました。以下が、その回答です。

「バチェラー・ジャパン」(Amazon Prime Video)

アマゾンのオリジナルコンテンツである「恋愛リアリティ番組」、もしくは「婚活サバイバル番組」です。ハイスペックな1人の男性をめぐって、25人の美女たちが争奪戦を繰り広げます。

ゴージャスなデートの一方で、彼をゲットするためなら駆け引きも裏切りも何でもあり! リアルで過酷な恋愛勝ち抜きゲームは、一度見始めると次回が気になってしかたない。

見る者を最後まで引っ張っていくのは、彼女たちの「本気度」です。恋愛中の人も、そうでない人も、「現代恋愛論」を学ぶつもりで、ご覧ください。

「スター・ウオーズ/マンダロリアン」(ディズニーデラックス)

「スター・ウオーズ」ファンには堪らない実写ドラマです。舞台は銀河帝国の崩壊から5年後の世界で、一匹狼の賞金稼ぎであるマンダロリアンの冒険譚。

追いつ追われつの物語展開と、迫力のバトルシーンが見ものです。登場人物はもちろん、宇宙空間や惑星、乗り物やドロイドなども、完全に「スター・ウオーズ」の世界観で成り立っており、ファンでなくても興奮必死でしょう。

主人公以外のキャラクターの中では、ヨーダと同じ種族だという50歳の赤子で、強いフォースをもつ「ザ・チャイルド」が秀逸です。ひと時だけ、銀河の果てに現実逃避するのも悪くありません。

「HERO」(FODプレミアム)

言わずと知れた、2001年のヒット作。もう20年近く前になるんですね。

型破りな検事・久利生公平(木村拓哉)を補佐する、担当事務官の雨宮舞子(松たか子)に注目したいです。

雨宮は仕事も私生活も、その生真面目さ、もっと言えば「身持ちの堅さ」が最大の特徴です。いや、だからこそ、ふとした瞬間に見せる「隙」が好ましい。

この雰囲気は松さんならではのものであり、生まれや育ち、また男性的ともいえるさっぱりした性格などの背景があります。

「松たか子が演じる雨宮舞子」を見られるだけでも(笑)、「HERO」は傑作なのです。コロナ禍にお疲れ気味の人は、ぜひ雨宮に励まされてください。

「動画配信サービス」選択の注意点

取材の最後に、「注意点は?」とのことでしたので・・・

それぞれの動画配信サービスには特色があります。わかりやすく言えば、「得意ジャンル」が存在します。

映画、ドラマ、バラエティなど、自分が好きなのはどんなジャンルなのか、再確認してから選択するといいでしょう。また抱える作品の量と質も、大事な検討項目です。

さらに無料なのか、有料なのか。有料の場合は、自分にとっての「費用対効果」が重要です。必ず「お試し」を実施してから、正式な申し込みをしてください。

メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。1981年テレビマンユニオンに参加。以後20年間、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶大助教授などを経て、2020年まで上智大学文学部新聞学科教授(メディア文化論)。著書『脚本力』(幻冬舎)、『少しぐらいの嘘は大目に―向田邦子の言葉』(新潮社)ほか。毎日新聞、日刊ゲンダイ等で放送時評やコラム、週刊新潮で書評の連載中。文化庁「芸術祭賞」審査委員(22年度)、「芸術選奨」選考審査員(18年度~20年度)。

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