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架空鉄道「地下鉄東西線」がXで話題 新夕張発ニセコヒラフ行 投稿者、理想を込めた奇想天外を楽しみたい

鉄道乗蔵鉄道ライター
架空鉄道路線図(画像:和田哲/ブラサトル@Satoru_Wada)

 札幌市交通局が新さっぽろ―宮の沢間で運行する地下鉄東西線を、東側は新さっぽろ駅から新夕張駅に延伸、西側はニセコヒラフ駅に延伸した壮大な架空鉄道「地下鉄東西線」の路線図がX(旧ツイッター)で話題となっている。2024年5月13日に投稿されたこの架空鉄道路線図は1週間余りで1,000件以上リポストされ、インプレッション数は45万件を超えている。

 東側は、新札幌駅から国道12号線ルートを江別市方面に進み、江別市野幌から旧夕張鉄道のルートに沿って夕張平和へ。夕張平和からはJR旧石勝線夕張支線のルートに沿って清水沢駅を通り新夕張駅に至るルートとされた。

 一方の西側は、宮の沢駅から朝里川温泉と建設が進む北海道新幹線の新小樽駅を経由して小樽へ。さらに余市へと向かい積丹半島を一周して国鉄旧岩内線のルートをたどり、倶知安へ抜けニセコヒラフ駅を終点とするルートが描かれている。

 ポストのコメント欄には、

「壮大すぎて惚れてしまいそうです」

「南北線の妄想延伸もお願いします」

「野幌⇔夕張間、地下鉄延伸はロマンですね。上江別から継立あたりまでの泥炭地帯をどのように軌道敷設するのか気になります」

「まさかの積丹半島めぐり!そこは景勝地だから地上に出したほうが需要がありそうですが、冬が心配」など、

好意的なコメントも多く寄せられている。

 投稿主の和田哲/ブラサトルさんに取材を申し込んだところ、以下のメッセージを寄せていただくことができた。

投稿主の和田哲/ブラサトルさんメッセージ

 私はこのような空想が大好きで、子供の頃から架空の路線図や地図を描いていました。同時に、単なる面白半分だけの妄想ではなく、既存の交通の不便さや不完全な部分を補完する、私なりの理想を盛り込んであります。

 この妄想延伸案は、新幹線が札幌まで開通し、小樽から先の山線が並行在来線として廃止された世界を想定しています。余市への鉄路を引き継ぐと同時に、新小樽駅から小樽市街への交通、小樽運河や小樽商大、朝里川温泉のアクセス改善、積丹半島の観光活性化、過去に廃止された岩内線や夕張鉄道、石勝線夕張支線などの復活など、さまざまな夢と希望を取り入れてみました。小樽や倶知安までは遠回りしていますが、あくまで幹線移動は札幌〜小樽間の函館本線や札幌〜倶知安間の新幹線が担い、地下鉄はその取りこぼしを拾うという枝線というイメージです。

 費用や技術などの実現可能性は無視しているので、おバカな妄想と笑われるかもしれません。とりわけ交通の分野では、誰もが現実の諸問題に縛られすぎ、自由で柔軟、奇想天外な発言がしにくい風潮があります。以前、私が「普通列車の窓をきれいにすべきだ」と発言しただけでも多くの批判をいただきました。交通の夢を語りにくいのが現在のSNS界隈です。私がたびたびこのような妄想を語るのは、そのような風潮へのアンチテーゼでもあります。夢はもっと自由に語っていい。実現可能性など無視してもっと理想を、奇想天外であってもいいから夢を語り合ってこそ、より良い社会に向かって進むことができると信じるからです。理想を込めた奇想天外を、もっと楽しみましょう!

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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