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[高校野球]夏の甲子園、「令和」になってもっとも勝っている都道府県は?

楊順行スポーツライター
(写真:岡沢克郎/アフロ)

 高校野球はこれから、秋の都道府県大会が佳境。こちらは、ようやく夏の甲子園の結果を自分のデータベースに反映し終えたところだ。初出場の新潟産大付が白星を挙げ、新潟県が春夏通じて令和初勝利。まだ令和の勝ち星がないのは、宮崎県のみとなった。

 令和6年。2020(令和2)年はコロナ禍で夏の選手権が中止になったため、令和になって行われた夏の甲子園は5回。ちょうど区切りがいいので、47都道府県(北海道は南北、東京は東西)の勝ち星をまとめてみた。勝利数1位はどこだと思いますか? まずは、36位以下から。○数字は順位、以下都道府県、勝ち-負け、(★=過去5大会の優勝校 ☆=過去5大会の準優勝校)、通算での選手権勝利数順位。

㊱南北海道 2-5 18(南北通算)

 埼  玉 2-5 21

 長  野 2-5 28

 静  岡 2-5 14

 富  山 2-5 45

 徳  島 2-5 25

㊷北北海道 1-5 18(南北通算)

 秋  田 1-5 34

 群  馬 1-5 21

 新  潟 1-5 46

 愛  媛 1-5 8

 佐  賀 1-5 41

㊽鳥  取 0-5 42

 宮  崎 0-5 33

 野球どころといわれ、通算勝利数ではベストテンに入る愛媛がこの順位なのは意外だが、夏は現在初戦4連敗中である。埼玉、静岡、群馬あたりも、近年ややふるわないといえそうだ。群馬は今年のセンバツで健大高崎が優勝したが、その健大が挙げたこの夏の1勝が、令和の夏初白星だった。鳥取は令和の夏は未勝利も、センバツで1勝がある。続いて23位以降。

㉓福  島 5-5 40

 西東京  5-5 1(東西通算)

㉕愛  知 4-5 5

 岐  阜 4-5 17

㉗千  葉 3-5 10

 山  梨 3-5 39

 三  重 3-5 43

 広  島 3-5 9

 香  川 3-5 23

 福  岡 3-5 12

 熊  本 3-5 26

 大  分 3-5 29

 沖  縄 3-5 20

 通算勝利のランキングからして、ここでは愛知、千葉、広島、福岡あたりに元気がないか。なぜか九州勢が27位に固まった。続いて11位以降。ここからは勝ち越し組になる。

⑪山  形 7-5 46

 石  川 7-5☆星稜(2019) 37

 兵  庫 7-5

 長  崎 7-5 37

⑮岩  手 6-5 35

 茨  城 6-5 30

 栃  木 6-5 27

 福  井 6-5 30

 岡  山 6-5 24

 島  根 6-5 44

 山  口 6-5☆下関国際(2022) 16

 高  知 6-5 10

1位は当然大阪では……?

 福井は、すべて敦賀気比の勝ち星。この順位を見て、東北勢の躍進に気がつくだろう。通算勝ち星では新潟と並ぶ最下位の山形が11位で、岩手も勝ち越しだ。さらに、ベストテンには残る青森と宮城が入る。まずは6位から10位。果たして1位は大阪桐蔭のいる大阪?

⑥神奈川  10-4★慶応(2023) 4

 京  都 10-4★京都国際(2024) 6

⑧青  森 9-5 32

 鹿児島  9-5 18

⑩和歌山  8-4★智弁和歌山(2021) 7

 青森は、この夏4強の青森山田、また夏の初戦11連勝中の八戸学院光星が着実に白星を重ねている。そしてベスト5は……。

①宮  城 14-4★☆仙台育英(2022・23) 15

②大  阪 13-4★履正社(2019) 2

③東東京  11-5☆関東一(2024) 1(東西通算)

 滋  賀 11-5 35 

 奈  良 11-5☆智弁学園(2021) 13

 堂々1位は宮城である。仙台育英が優勝、準優勝で10勝しているのが大きく、さらに20年にも3勝してベスト8。近年の躍進は目覚ましく、通算成績でも勝ち越して東北では最上位の15位までランクを上げている。その勢いは、5大会すべて初戦を突破している大阪を上回った。そして、古くは近畿のお荷物といわれ、通算勝利ではいまだ近畿最下位の滋賀が近江の連続4強、この夏滋賀学園の躍進で、奈良と並んでベスト3に入った。   

スポーツライター

1960年、新潟県生まれ。82年、ベースボール・マガジン社に入社し、野球、相撲、バドミントン専門誌の編集に携わる。87年からフリーとして野球、サッカー、バレーボール、バドミントンなどの原稿を執筆。85年、KK最後の夏に“初出場”した甲子園取材は64回を数え、観戦は2500試合を超えた。春夏通じて55季連続“出場”中。著書は『「スコアブック」は知っている。』(KKベストセラーズ)『高校野球100年のヒーロー』『甲子園の魔物』『1998年 横浜高校 松坂大輔という旋風』ほか、近著に『1969年 松山商業と三沢高校』(ベースボール・マガジン社)。

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