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「スターライナー」トラブル相次ぎ地球への帰還を延期、燃料漏れやスラスター突然停止を受けて不具合究明中

国際宇宙ステーションにドッキングしたスターライナー 出典:NASA

2024年6月5日に打ち上げられたボーイング社の新型宇宙船「スターライナー」は、NASA宇宙飛行士2名を乗せてISSへ到着しました。当初は8日後で地球へ帰還する予定でしたが、相次ぐトラブルにより帰還予定は延期となっています。

本記事では、スターライナーの最新状況について解説していきます。

■スラスターのヘリウム漏れ、突然停止などトラブルが相次ぐ

スターライナー宇宙船 出典:NASA / Boeing / Wikipedia
スターライナー宇宙船 出典:NASA / Boeing / Wikipedia

スターライナーは、6/5(水)にアトラスVロケットにより打ち上げられました。今回のミッションでは、NASAの宇宙飛行士2名が搭乗しています。宇宙へ打ち上げられたスターライナーは、24時間かけてISSへのドッキングに挑戦し、国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングにも成功しました。

しかし、スターライナーの機体からヘリウムが漏れていることが見つかり、一時ISSへの到着を遅らせることのトラブルが発生しています。機体の28基あるスラスターの内、5基が故障する事態となっています。実は、ロケットの打ち上げ前からスターライナーのヘリウム漏れは見つかっており、打ち上げ自体も延期が続いていたという背景があります。

そのため、当初は打ち上げから8日後に地球へ帰還する予定となっていたスターライナーですが、不具合究明のため地球帰還は6/22に延期されます。しかし、新たにスラスターの突然停止というトラブルが発生し、その対応に追われていました。そしてNASAの発表によると、地球への帰還は6/26以降になるとのことです。

今回はスターライナーにとって、宇宙飛行士を搭乗させた最初のミッションとなります。果たして不具合究明が無事完了し、地球へ帰還することができるのか、今後も要注目です。

■スターライナーはどんな宇宙船?

スターライナー 出典:NASA / Boeing / Wikipedia
スターライナー 出典:NASA / Boeing / Wikipedia

ボーイングのスターライナーは、地球とISSとの間を往復する21世紀の宇宙カプセルです。外観はロッキード・マーティンがNASAのために開発しているオリオン宇宙船と似たカプセル形状です。

高さは5.03m、直径は4.56mで、アポロ指令船よりも大きく、オリオン宇宙船よりも小さいサイズとなっています。スターライナーは低軌道への輸送のみに使用される予定のため、オリオン宇宙船のような地球外軌道まで飛行するための装置は搭載しません。

最大7人のクルーを乗せる事が出来、またはクルーと貨物の両方収容出来る設計です。生命維持装置は低軌道仕様で小型軽量化されるため、室内空間の容積は大きくとることができます。軌道上には最大7ヶ月間滞在でき、最大10回再使用できるような設計です。

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