今年も熱戦続く日本シリーズ。決着の舞台は7年ぶりの神宮か、あるいは昨年と同じく……
セ・リーグ王者の東京ヤクルトスワローズ対パ・リーグ覇者のオリックス・バファローズ──。2年連続の顔合わせとなった日本シリーズは、昨年と同様に連日、熱い戦いが続いている。
第6戦から舞台は再び神宮に
球団史上初の日本シリーズ連覇を目指すヤクルトは、本拠地の神宮球場で行われた第1戦でオリックスのエース・山本由伸を攻略して先勝。続く第2戦は9回裏に代打・内山壮真の同点3ランで追いつき、引き分けに持ち込んで1勝1分けとした。ヤクルトは舞台をオリックスのホーム・京セラドーム大阪に移した第3戦も、キャプテン・山田哲人の先制3ランなどで大勝するのだが、一方的な展開にはならないのがこの両者の対戦である。
26年ぶりの日本一を狙うオリックスは第4戦、3回に杉本裕太郎のタイムリーで挙げた虎の子の1点を自慢の救援陣で守り切ると、第5戦はシーソーゲームの末に9回にヤクルトの守護神スコット・マクガフをとらえ、前日までは精彩を欠いていた四番・吉田正尚の特大2ランでサヨナラ勝ちを収めた。これで対戦成績は2勝2敗1分けとまったくの五分となり、移動日を挟んで今日、10月29日からは神宮に戻って第6、7戦が行われる。
第6戦の予告先発は、ヤクルトは第1戦で勝利投手となった小川泰弘。オリックスは第1戦で左脇腹の違和感を訴えて途中降板したエースの山本ではなく、第2戦に先発して4回まで無失点に抑えた山﨑福也と発表されている。
昨年の決着は「ほっともっと神戸」
仮にどちらかのチームが6戦、7戦と連勝すればそこで決着がつくが、そうでなければ10月31日に同じ神宮で第8戦が行われる。昨年ヤクルトが日本一を決めた第6戦が行われたのは、オリックスが準本拠地とするほっともっとフィールド神戸であり、今年のシリーズが第8戦までに決まれば、ヤクルトが1勝4敗で福岡ソフトバンクホークスに敗れた2015年以来、7年ぶりの「神宮決着」となる。
ただし、もし第6、7戦で引き分けがあり、第8戦で決着がつかなかった場合は「さらに第9戦が必要な場合には、1日移動日を設け、もう一方のチームの球場で行う」との日本シリーズ開催要項に則って、オリックスの球場で第9戦が行われることになる。過去には1986年に西武(現埼玉西武)ライオンズと広島東洋カープが第8戦まで戦った例があるが(4勝3敗1分けで西武が日本一)、「第9戦」まで行けば史上初のことだ。
史上初の「第9戦」の場合、京セラドームは使用できず
「もう一方のチームの球場で行う」となれば、本来は第3~5戦の舞台となったオリックスの本拠地・京セラドーム大阪で行われるはずなのだが、10月30日から11日間にわたる第47回社会人野球日本選手権大会が予定されていて、使用は不可能。おそらくは昨年の第6戦と同様、オリックスの準本拠地・ほっともっとフィールド神戸で開催されることになりそうだ。
ちなみに日本シリーズでは、延長戦は第7戦までは12回で打ち切り、第8戦以降は無制限との規定がある。今後も予断を許さないヤクルトとオリックスのシリーズ。最後に待ち受けているのは、どのような結末だろうか。