感染者いじめ、コロナ差別を許すな:夏休み明け文科省緊急メッセージ:感染を怖がり人を怖がらない
<夏休みが終わり、学校が始まりました。けれども今、感染者いじめ、コロナ差別の危険性が高まっています。>
■文科省緊急メッセージ:誹謗中傷、感染者いじめをなくせ
小中高では、短い夏休みが終わり、2学期が始まりました。でも、新型コロナウイルス感染の不安は続きます。
文科省は、子供と大人に、呼びかけています。
■コロナ感染者いじめ
大人の世界なら、偏見差別、誹謗中傷と言われますが、子供の世界なら、コロナいじめ、感染者いじめです。以前から、感染したらいじめられるの?という不安は、子供たちの間にありました。
<「感染したら、いじめられるの?」――不安を抱える子供たちへ【#コロナとどう暮らす】>
コロナによる混乱は、学校内でも続いています。いじめを防ぐためには、子供の心の問題だけでなく、いじめが起きにくクラス作りが大切なのですが、多くの教員たちが不安を感じています。
コロナ禍で、先生も子供も、心と時間の余裕を失いがちだからです。
<「いじめが起こりにくいクラスを作れない」現状も? “コロナ禍で今後いじめ増”教職員の9割が懸念>
感染予防のためにソーシャルディスタンスを取れとの指導は、一歩間違えると、相手をバイキン扱いし、いじめにつながる恐れがあるでしょう。大人の世界でも、自粛警察などと呼ばれる乱暴や、感染者を出した学校への偏見差別誹謗中傷が頻発したのですから。
■感染を怖がり人を怖がらない
感染は、正しく恐れましょう。感染予防のために工夫をしましょう。しかしそれは、都会からきた人を忌み嫌うことではありません。病院関係者の家族や、病気が治って戻ってきた人を避けることでもありません。
そんなことは、非科学的な態度でしょう。
コロナに関する偏見差別や誹謗中傷は、悪人の行為ではありません。むしろ、自分や家族や地域を守ろうとする行為でしょう。しかし、不安か過剰になると、「疑わしきは罰せよ」という気持ちになり、人権侵害的な中傷やいじめが起きてしまうのです。
科学的には、なかなか「絶対」はありません。しかし交通事故が考えられるからと言って、横断歩道を渡らないのは、正しい行動ではありません。それは科学的根拠に基づく行動ではありません。
不安がる人の心には共感を示したいと思いますが、差別中傷、いじめの行動には、同調してはいけません。
■文科省緊急メッセージは、どう報道されるか
コロナ問題は、今も最も多く報道されるテーマです。いじめ問題も、普段なら大テーマです。でも、今回の文科省緊急メッセージは、地味なニュースかもしれません。ワイドショーが、長時間扱うようなニュースではないでしょう。
私たちは、コロナとどう戦い、どう生きようとしているのでしょうか。もちろん、感染予防が大切であり、毎日の感染者数の報道も必要でしょう。新しい薬や、スーパーコンピューターを使った解析も興味深いものです。
けれども、私たちの心の問題も重要です。健康とは、単に体が病気ではなないということではないからです。
「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」
子供も大人も、コロナウイルスがあっても、真に健康でありたいと思います。本当なら、文科省の緊急メッセージに合わせて、コロナの偏見差別誹謗中傷、コロナいじめを許さないぞ!と、社会的に盛り上がれば良いのですが。
夏休み明けの子供達が、健康的に、楽しく充実した学校生活を遅れますように。