イライラする子どもの朝の身支度!「早くして!」と言わなくても準備できる幼児教育講師オススメの方法
こんにちは!幼児教育講師のTERUです!
今回は、前回に引き続き『子どもの朝の準備』をテーマに、私の今までの経験でかなり効果の高かった方法を1つご紹介させていただきます。
前回は一般的な改善方法についてご紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください。
【オススメ方法『準備できた報告』のやり方】
この“準備できた報告”は、簡単に言うと『親子で朝やることが終わったら1つずつ報告し合うという取り組み』です。
手順は大きく分けると2つのステップあります。
ステップ① 親子でお互いの朝することを確認
まずお子さんと朝やることを確認します。
この時に、お子さんのやることだけを確認してはダメです。
「今日は〇時にお家を出るから、〇時〇分までに準備を終わらせよう!お母さんは今から、〇〇君(弟)にご飯を食べさせて、歯磨きをして、お着替えをして、カバンの準備をするね!」
というように、先にお母さんがこれからやることを全て伝えます。
次に
「〇〇ちゃんはお家を出るまでに何をやるのかな?」
と確認します。
お子さんが自分で言うのが難しければ、教えてあげながら一緒に確認していきましょう。
そして、確認が終わったら
「じゃあお母さん、自分がやることが1つ終わったら〇〇ちゃんに報告するから、〇〇ちゃんも自分の準備が1つ終わったらお母さんに報告してね!」
と伝えます。
ここまでがステップ①のすることの確認です。
ステップ①のポイント
まずは先に親がすることを伝えることです。
それにより、お子さんは自分がやらされることではなく「2人でやること」という意識が生まれ、「私も大人と同じことをやるんだ」というちょっとした自尊心も生まれます。
あとは明確に時間を伝えることもポイントです。
「早くやりなさい!」という伝え方は子どもにとっては非常に曖昧なので、子ども扱いせずに時間をちゃんと指定してあげることで、子どもも意識しやすくなります。
時間を伝えてもいきなりはできないかもしれませんが、それを毎日繰り返していくことで、時計への意識や理解も進んでいき、自ら時間管理ができるようになる種まきにもなります。
ステップ②お互いに報告しながらハイタッチ!
確認を終えたらそれぞれ自分の準備開始です。
ここからの対応が今回の1番のポイントなのですが、お子さんが「〇〇できた!」と報告をしてきてくれたら、そのときに明るくハイタッチをして「OK!」などと伝えてあげてください。
楽しくできると、さらにまたハイタッチをしたくて次の準備を頑張ってくれます。
他にも二人だけの合言葉みたいなものを作っても面白いですね。
必要であればハイタッチの後に「次は何をやるの?」と確認するのも良いと思います。
ステップ②のポイント
お子さんによっては、この段階ですでにノリノリでこの『準備できた報告』に取り組んでくれる子もいますが、やることを確認しただけで結局動いてくれなかったり、他の遊びをし出してしまう子も多いと思います。
そんなときも気にせず、お母さんが何か1つタスクを終わらせるごとにお子さんのところに行き「お母さんは〇〇が終わったよ!ハイタッチ!OK!次はお母さんはこれやるね!」とまずは伝えましょう。
この時に「〇〇ちゃんも準備しようね!」などと促す言葉はかけない方が良いです。
このように親が自分の準備を報告してくる姿を見て「自分もやらなくちゃ!」と感じてくれる子は多いです。
1回目の親からの報告では動けなくても、自分で動けるまではなるべく待ってあげると自分で動くタイミングが出てきます。
【動かない子への工夫】
なかなか動かない子へはちょっとした工夫が2つあります。
1.「親が時間を意識した言葉を多く口にする」
例えば
「あと15分だ!急がなきゃ!」
「今8時50分だから、家を出るまであと20分か!」
というように、あくまで自分の準備に対する心の声のような感じで時間を意識する言葉を言うと、お子さんも「そろそろやらなくちゃ!」と感じるきっかけになります。
2.「お子さんが準備をし出したときをなるべく見逃さないで声をかけてあげる」
お子さんが準備を始めたら、
「準備頑張ってるね!お母さんも頑張るね!」
と簡単にで良いので声をかけてあげると、認められていると感じて準備へのモチベーションがさらに上がります。
あとはお互いに『準備→報告→ハイタッチ!』という流れを繰り返していき、全て終わったら
「完璧!自分でできたね!お母さん嬉しいよ!」
など、褒めるだけではなく、お母さんの気持ちをIメッセージで伝えてあげましょう。
Iメッセージって何?という方はこちらの記事で解説していますので、良ければご覧ください。
以上が、『準備できた報告』の基本的なやり方です。
最後になぜこの『準備できた報告』をそれほどまでにオススメするのかをお話ししていきます。
【『準備できた報告』をオススメする理由】
この『準備できた報告』をオススメする理由は、子どもに「準備をする」ということをリマインドするために、指示語を使わなくて済むからです。
これが本当に大事なのです。
特に幼児期の子どもはいくら最初に確認をしても、他に夢中になることや胸がときめくことがあるとすぐに忘れてしまいます。
ですが、「準備しようね!」「準備しなさい!」「何する時間だっけ?」「今から何やるの?」「準備できたの?」などと指示や質問をすればするほど、マイナスなリマインドとなりお子さんのやらされている感が強くなっていってしまいます。
これがマンネリ化してくると「準備しなさい!」という言葉の効力がどんどん下がり、お子さんがさらに行動できなくなっていってしまい、挙げ句の果てには大きな声で怒鳴らなくてはいけないような悪循環にもなってしまいます。
その点、この方法は『親が子どもに報告をする』という行為自体が『子どもへのリマインド』になります。
指示語を使わなくても、子どもに報告をする度に何度も子どもに思い出させてあげるきっかけを作ってあげることができるため、プラスなリマインドになるわけです。
「やりなさい」と指示されて動くよりも、お母さんの報告をきっかけに自分で気づく方が圧倒的に主体的な行動ですから、準備に対するモチベーションが下がらずに行動を促せるというのがこの方法の非常に優れているところです。
この『準備できた報告』は、朝の準備を早くするための飛び道具的な存在ではなく、実は子どもを成長させる子育てを実践する大きな要素でもあります。
「毎朝子どもに指示語を多く伝えるのか」それとも「毎朝自分で気づいて準備を始める経験を積み重ねるのか」では、子どもの成長には大きな影響があります。
小さい頃から指示で動くばかりではなく、主体的に動いてきた子は主体性や積極性の面、思考力や発言力などの面でも豊かに育っていきます。
私としてはこのオススメさせてもらう理由まで含めて、ぜひ『準備できた報告』を使ってほしいなと思っています。
いかがでしたでしょうか?
毎朝お子さんと格闘されている方は本当に多いと思います。
今回ご紹介した内容はこれが正解!というものではありませんが、前半でご紹介したものも含め、お子さんに合った方法が見つかれば嬉しいです。
皆さんの子育てを応援しています!