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【走っても痩せないと感じている人へ】走って痩せる人と、痩せない人の違い

たくや/ランナー医師、ランナー、ランニングコーチ

読んで頂いてありがとうございます!
たくや/ランナーです。都内で医師&ランニングコーチをしています。

走って痩せる人、痩せない人の違いついてまとめます。
※黒板・ホワイトボードの形式を中止にしています。

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はじめに

ダイエットの目的でランニングを始める方は多くいます。
好きなものを食べたり飲んだりするのを諦めたくないから、まずは手軽にできる運動から始めるわけです。

確かにランニングを始めてから痩せ始め、今では食べて飲んで走るが日常になっているランナーも多くいます。ですが、全然痩せないと諦めてしまうランナーも多い印象です。

果たしてどこがいけないのでしょうか。

基本的なことから

まずは基本的なことからみてゆきましょう。
走り始めたばかりの方は、ランニングをするとかなり疲弊すると思います。ですが、走ったこと自体のエネルギー消費はさほどではありません。

たとえば10kmを走ったあとに体重を測定すると、汗をかくので1kgくらい減るようなことがあると思います。ですが実際には、体重70kgの人でも100g程度しか脂肪は燃焼していません。

でもランニングのエネルギー消費効果は、それだけではない!

ですがランニングによるエネルギー消費はそれだけではありません。
走ったあとは体が軽くなって、普段よりも活動的に仕事が出来たりしませんでしょうか。また体温が上昇して、体が暖かく・火照った感じになったりしないでしょうか。

走る事によるエネルギー消費だけでなく、それ以上にエネルギーを消費しているんです。

それなのにナンで痩せない

それなのに痩せないのは、走った後にたくさん食べてしまうからです。

本来ランニングのような有酸素運動は、食欲を低下させる効果があります。ランニングをすることにより食欲を抑えるGLP-1やPYYといったホルモンが増加し、逆に食欲が増加するグレリンというホルモンが減少します。空腹の状態で走っても、ランニングを終えたころには空腹が落ち着いていることはありませんか?

ですがイヤイヤ走っているランナーは、食欲を抑制するセロトニンがあまり分泌されないとも言われています。

そしてランニング中に食べ物のことを考えてしまうと、ドパミンの効果や血糖が下がることで食事がドンドンと豪華になってしまいます。ご褒美効果と相まって、走った後に大盛りの食事を食べたり、食べ放題に行ってしまう方を見かけます。

経験から~太るランナーの特徴

自分がダイエット・ランニング指導していた経験からお話しします。

ランニングしても痩せないランナーは、ランニングが習慣化していないランナーです。走る事が習慣化していないから、イヤイヤ走り、そして走った後にご褒美を求めてたくさん食べてしまう。また走っている最中から、食べることを考えていることが多いように思います。

夜にイヤイヤ走って、それが免罪符になってドカ食いしてしまう。そんなランナーは痩せません。

経験から~痩せるランナーの特徴

逆に痩せるランナーは、ランニングが習慣化したランナーです。

習慣化しているから、ランニングにご褒美を求めません。またご褒美を求めても、食べる事以外に視点が向くランナーは太りません。

そして走っている時に、身の周りの綺麗な景色や、前向きに考えたい家庭や仕事のことを考えるランナーは、私生活も充実している印象を受けます。

さいごに

ダイエットを目的にランニングを始める方を多く見かけます。
嫌々夕方にチョット走る、そして飲む!食べる!~そんなランナーは痩せるのが難しいようです。

ランニングの効果はダイエットだけではありません。痩せて、活動的になって、メンタルも強くなる。そんな生活を送るために、朝、前向きに考えたいことを考えながら数キロ走る。そんな生活はいかがでしょうか。

きっとダイエットの夢を叶えることができると思います。

こちらの内容も参考になると思います。興味があれば参照下さい:
ビアランニングドクターのNOTE:ランニングは体に良い?悪い?①

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<主な参考文献>
・有酸素運動は、食欲を抑えるホルモンが増えて食欲が増進するホルモンが減少する。
Ueda SY et al. Effects of exercise training on gut hormone levels after a single bout of exercise in middle-aged Japanese women. Springerplus. Dec;2(1):83. 2013(Pubmed
・時間制限の運動や、強制的な運動ではセロトニンが増加しない。
Matsunaga D et al. Difference in the brain serotonin and its metabolite level and anxiety-like behavior between forced and voluntary exercise conditions in rats. Neurosci Lett. 2021(Pubmed
・ストレス下のランニングは、セロトニンが低下し、ドパミン濃度が上昇する。
Clark PJ et al. Running Reduces Uncontrollable Stress-Evoked Serotonin and Potentiates Stress-Evoked Dopamine Concentrations in the Rat Dorsal Striatum. PLoS One. Nov 10;10(11).2015(Pubmed

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たくや/ランナーについて
中学・高校・大学と陸上競技部で、そして卒業後もランニングを続けています。フルマラソンのベストは2時間50分。
今は都内の病院で勤務をしつつ、ランステでコーチをしています(日比谷ライドのコーチ紹介)。
発信はおもにNOTEでしています(ビアランニングドクターのNOTE

医師、ランナー、ランニングコーチ

41歳まで某大学病院の消化器肝臓内科で勤務、現在は都内の一般病院で内科医をしています。また、中学でランニングを始めて走歴は約40年、その経験を活かしてランニングステーションでコーチもしています。総合内科専門医・消化器病専門医・肝臓専門医・抗加齢医学会専門医、JMJA公認ランニングドクター他、資格は多数。フルマラソンの完走は67回でベストタイムは2時間50分31秒(2019湘南)。ランナーからよく聞かれることやランナーに伝えたい事を、科学的なエビデンスと経験をもとに記事を書いています。

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