名古屋めしが切手になった! 食べられる&買える店はココ(63円切手編)
切手図案のモデルを筆者が独自に調査しガイド
日本郵便から「おいしいにっぽん シリーズ第3集 名古屋」が11月11日に発売されます。ちなみに第1集は福岡、第2集は札幌。日本を代表する南北のグルメタウンに続いて、名古屋が“おいしいにっぽん”第3の都市に選ばれたのです。
この切手は63円と84円切手がそれぞれ10枚1シート(630円と840円)。いわゆる名古屋めしを中心に多彩なご当地グルメが図案となっています。地元の人やグルメ旅が好きな人にとっては、「この料理はあの人気店だ!」「これはコ〇ダ珈琲店、こっちはコン〇ル!!」と答え合わせするのも楽しみのひとつです。
そこで、筆者が独自に各図案に採用されたグルメの食べられる&買えるお店をガイドします!(店舗については日本郵便が公表しているものではなく、あくまで筆者が“非常に良く似ている”と判断してセレクトしているものです)。
まずは63円切手シート編。お茶菓子や軽食を中心に名古屋名物がにぎやかにラインナップされています。
【エビフライサンド&アイスコーヒー】
喫茶店文化が根づいた町・名古屋。中でも地元っ子から篤い支持を集める老舗が「コンパル」です。創業は戦後間もない1947(昭和22)年。店舗数は9軒と決して多くはありませんが、戦後の復興・発展を象徴する地下街の開業に合わせて店舗を増やしてきたこともあり、名古屋のシンボリックな存在として足繁く通うファンも少なくありません。エビフライサンドは、いち早くサンドイッチのテイクアウトを始めたコンパルを代表する名物。デミタスカップから氷入りグラスへ移すアイスコーヒーもまた香り豊かな名物ドリンクです。
□ コンパル HP
【シロノワール&レモンスカッシュ】
どう見ても「コメダ珈琲店」の名物スイーツ・シロノワールと、ブーツ型グラスがかわいいレモンスカッシュ。ただしあくまで“非常によく似ている”ものとして紹介します。ちなみにコメダ珈琲店は全国850店舗以上を出店し、47都道府県を網羅しているので、全国の皆さんもどれくらい切手と似ているか是非ご確認を。
【喫茶店スイーツ】
甘党のハートに響きそうなこちらの切手図案。小倉トースト、プリン、スポンジケーキが並び、コーヒーカップのシンプルなデザインもイイ感じ。いわゆる名古屋めし系メニューは小倉トーストだけですが、喫茶店文化も名古屋めしのひとつに挙げられることが多く、そのあたりさすがよくわかっている!と納得の1枚です。
この図案そっくりのスイーツで“いっぷく”のひとときを過ごせるのが「洋菓子 喫茶ボンボン」(名古屋市東区)です。1949(昭和24)年創業の名古屋の洋菓子店の草分けにして、喫茶店としてもレトロな雰囲気が魅力でいつも満席の大人気店。上質のバターやクリームをふんだんに使った贅沢な甘みに、名古屋喫茶らしいストロングな苦味のコーヒーが相性抜群です。
【和菓子】
お盆に乗った和菓子の図案も“いっぷく”を大切にする名古屋の食文化を象徴するもの。実は名古屋では江戸時代から茶の湯の文化が広く浸透していて、それにともなって和菓子店も多い土地柄。店舗の数や生産量・消費量も実は全国トップクラスです。そんな名古屋の和菓子文化を代表する存在が「両口屋是清」。江戸初期の1634年に創業し、尾張藩の御用菓子も務めた名門にして、気軽に買えるお土産菓子も数々手がけています。切手の図案にならって並べてみたのは、をちこち、旅まくら、千なり。いずれも名古屋人好みの粒あんの上品かつしっかりした甘みを堪能できる銘菓です。
□ 両口屋是清 HP
【守口漬&天むす】
守口漬は名古屋のご当地漬物。この地域特産の“世界一長い”守口大根と、酒粕ではなくみりん粕を使い、コリコリした食感と芳醇な甘みが特色です。その代表的なブランドが「大和屋守口漬総本家」。近年は細かく刻んだふりかけタイプの守口漬や、みりん粕を活かしたチーズ味醂粕漬といった魅力的な新商品も開発して、伝統ある贈答品の新たな可能性を広げています。
天むすはもともと三重県津市が発祥で、名古屋ののれん分け店が人気を博したことから名古屋名物としてのネームバリューが高くなりました。切手の図案は特定の店舗のものではないようですが、形状が似ている「地雷也」の商品をモデルにしてみました。
【ういろう&えびせんべい】
名古屋の伝統銘菓、甘くて柔らかいういろう&パリッと小気味よく海老の風味が広がるえびせんべいの黄金コンビ。しろ・さくら・抹茶をはじめ7つの味・色が特色の「青柳ういろう」は、ういろう=名古屋名物のイメージを決定づけたトップブランド。もっちりしつつも歯切れのよい食感を楽しめます。
えびせんべいは愛知特産で全国生産の9割をこの地が占めます。安価なおやつ向けと、高級感ある贈答向けがあり、後者の代名詞的存在が「坂角総本舗」のゆかり。封を開けた瞬間、海老の香りが漂い、しっかりした歯ごたえの奥から濃厚なうま味が広がります。
□ 青柳総本家 HP
□ 坂角総舗舖 HP
【スガキヤラーメン】
名古屋市内を中心に約250店舗を展開する「スガキヤ」のラーメンは、名古屋人にとってのソウルフード。和風とんこつスープの親しみやすいまろやかさとうま味の濃さが、地元っ子の心をつかんで離しません。一杯330円のリーズナブルさに、主にショッピングセンターのフードコートに出店する身近さで、三世代で利用するファミリーも珍しくないほどです。ソフトクリームなどのスイーツがラーメンと並ぶ人気を誇るのも大きな特色。地元ではラーメン専門店という以上にファーストフード店として愛されているのです。
【駄菓子】
名古屋は全国随一の駄菓子の生産地でもあります。尾張藩の下級武士が内職で菓子づくりをしていたのがそのルーツ。現在も名古屋駅からほど近い場所に、全国で唯一残る駄菓子問屋街が存在します。名古屋・愛知を代表するロングセラー駄菓子がクッピーラムネ(カクダイ製菓)、しるこサンド(松永製菓)、オレンジマーブルガム(丸川製菓)、さくらんぼ餅(共親製菓)。どれも素朴な味わいで、口にすれば懐かしさを感じられます。
□ 松永製菓 HP
□ 丸川製菓 HP
□ 共親製菓 HP
◆◆◆
鉄板スパゲティ、鬼まんじゅう&おこしもんの切手図案は、筆者が調べた限り特定の店舗の商品をモデルとしているのではないため、写真による再現は控えました。名古屋めしの定番がズラリと並ぶ「84円切手編」に続きます。
(商品写真撮影はすべて筆者)