Yahoo!ニュース

藤井王位、永世王位の資格獲得か? 渡辺九段、カド番しのぐか? 王位戦第5局始まる #専門家のまとめ

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 8月27日。兵庫県神戸市・中の坊瑞苑において、伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦七番勝負第5局▲藤井聡太王位(22歳)-△渡辺明九段(40歳)戦が始まりました。

 七番勝負はこれまで藤井王位3勝、渡辺九段1勝。藤井王位は本局に勝てば4勝1敗で防衛を果たし、5連覇を達成。規定により永世王位の資格を獲得します。

ココがポイント

▼永世王位については意識していないという藤井王位。「目の前の局面に集中して指していきたいと思っています」

▼歴戦の雄・渡辺九段も王位戦七番勝負は今回が初めての登場。恒例の、有馬温泉での対局も初めて

▼対局開始。先手の藤井王位は飛車先の歩を突き、後手の渡辺九段は角筋を開いて、相居飛車の戦いに

エキスパートの補足・見解

 藤井王位(七冠)は7月、棋聖戦5連覇を達成。史上最年少21歳で初の永世称号・永世棋聖を獲得しました。そして今期王位戦では2つ目の永世称号・永世王位がかかっています。藤井王位は自身の発言の通り、いつものように記録を意識せず、本局に臨んでいるように見えます。藤井王位はこれまで2日制のタイトル戦を12回戦い、1度も敗退したことがありません。また2敗を喫したことも過去に2度しかありません。作戦家の渡辺九段は、第1局でうまくいった雁木の作戦を選びました。過去には竜王戦七番勝負で、羽生善治現九段を相手に3連敗から4連勝を達成したこともある渡辺九段。ここでカド番をしのげば、光明が見えてくるかもしれません。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

松本博文の最近の記事