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『Going!』の美しすぎるバスケ女子・菜波が語るW杯の見どころ。「合宿取材で感情が揺さぶられて…」

斉藤貴志芸能ライター/編集者
テンカラット提供

『Going! Sports&News』の土曜にバスケットボール・サポーターとして出演している菜波。沖縄でのワールドカップ開幕も迫り、盛り上げにより力が入るところでのインタビュー後編。中学・高校とバスケに打ち込んだ経験者としての大会の見どころと、イランとのハーフである自身の素顔などを語ってもらった。Bリーグから熱心に観戦してきただけに、バスケの知識は豊富で見方は鋭いようだ。

インタビュー前編はこちら

Bリーグのレポートはカフェで閉店まで籠って

――インスタでは、Bリーグの試合のレポートをかなり詳細に書いています。

菜波 バスケノートに気になったプレイやゲームの分かれ道を書いているんですけど、試合にも集中しているので殴り書きで、自分で「何て書いてあるの?」となることがあります(笑)。それを読み返して、ハイライトも観返しながら、結構時間を掛けていて。気づいたらカフェの閉店時間で「出てください」と言われたり(笑)。

――カフェで書いているわけですか。

菜波 カフェに籠って書くのが趣味みたいになって、5~6時間いることもあります。迷惑な客ですね(笑)。書くことに集中すればいいのに、「あのディフェンスはこの選手が付いていたんだ」と知ると、その選手のことを調べ出したり、脱線しちゃって。

――知識はより深まりますよね。

菜波 そう思います。自分の現役時代は「考えるな。感じろ」という野生タイプで、Bリーグにハマり出してから、試合についてめちゃくちゃ考えるようになりました。「この選手がこう動いたから、ここが空いたんだ」とか。コーチ目線で戦術を練るほどで、現役のときにこれができていたら、もっとやれたんじゃないかと、戻りたくなります。

代表選手が合宿では少年のようでした(笑)

――『Going!』ではバスケワールドカップの日本代表の合宿の取材もしていました。

菜波 行ってきました。富永(啓生)選手のディープスリーが凄かったし、以前合宿に潜入したときと比べて、全体的にスリーポイントの精度がめちゃめちゃ上がっているのが印象的でした。そこはホーバスヘッドコーチが重視していて、スリーポイントラインより外からシュートを打つ縛りでやる練習が多かったです。

――他に目についたことは?

菜波 代表選手でもこんなに声を出してやるんだ、と思いました。練習が終わると、皆さんワチャワチャしていて、高校生の少年を見ているようで(笑)。富樫(勇樹)選手と吉井(裕鷹)選手だったか、ハーフラインからシュートが入るか遊びで対決していたのが、微笑ましかったです。でも、西田(優大)選手がひょこっと来て、サッと入れてたり。西田選手はBリーグの試合でも、ハーフラインくらいからブザービーターを決めていたし、遊びとはいえ、やっぱり日本代表は違いました。

――ポイントガードの富樫選手は、昔から応援されていたんでしたっけ?

菜波 はい。自分が現役の頃から、富樫選手のプレイをYouTubeなどで観ていました。私はセンターだったので、ああいう低い選手にすばしっこく来られるのが、すごくイヤだったんです。同時に憧れがありました。間を見つけてサッと抜かれそうで、ドリブルもカッコ良くて。あんなふうにできたらいいなと思っていました。

――東京オリンピックでも、167cmの身長で2m級の選手たちと渡り合っていました。

菜波 それだけ技術が凄いし、頭脳戦にも長けていると思います。あと、Bリーグではたまに、ディフェンスからファールをもらうときの演技もうまくて(笑)。そんなに接触した? と思うくらい吹っ飛んで、とぼけた顔をされているのも、余裕がある感じで魅力ですね。

富永選手のシュートが決まれば大きいと思います

――他に期待の選手はいますか?

菜波 やっぱり富永選手は、あんなに遠くからシュートを打てるので、スポスポ決まれば大きいと思います。渡邉雄太選手もNBAで調子がピークになった頃にワールドカップに来るので、楽しみです。日本代表への意気込み、日本でワールドカップに出場する情熱がすごくある選手で、どんなプレイを見せてくれるか。馬場(雄大)選手もそうですし、挙げていくとキリがありません。合宿のときはテーブス(海)選手が最後まで残って、スリーポイントの練習をずっとしていました。ちょっと調子が悪かったようですけど、その姿を見て感情が揺さぶられて、ワールドカップで活躍してほしいと思いました。

――菜波さん自身はバスケットボール・サポーターとして、ワールドカップに向けてどんな活動をしていきますか?

菜波 SNS投稿は頑張っています。バスケの魅力を知ってもらいたいので、TikTokでいろいろやってみたり。たぶん自分自身がバスケを好きなのを全面に出すことで響くかなと。ワールドカップに結び付けた投稿をしようと、作戦を練っているので、もっとピッチを上げて、たくさんの方を巻き込んでいきたいです。

――芸能人さんの発信力は大きいですからね。

菜波 バスケの投稿を上げていたら、試合を観るようになってくれた方もいます。最初の頃は「今日もかわいいね」みたいなコメントが多くて、それも嬉しいですけど、バスケのことを書いてくれる方が増えたのが嬉しくて、原動力になっています。

スロベニアとの対戦を見たいです

――ワールドカップということで、外国チームにも注目している選手はいますか?

菜波 沖縄で試合をするチームでは、スロベニアのドンチッチ選手。NBAでめちゃくちゃ活躍しています。1次ラウンドは日本と別のグループなので、勝ち上がってもらって対戦を見たいですね。あと、セルビアにはNBAでナゲッツを優勝に導いたヨキッチ選手と、NBAで一番背が高いマリヤノヴィッチ選手がいるんですね。

――身長何cmなんですか?

菜波 224cmです! NBAでは違うチームでプレイしている2人が一緒にやるのはレアで、どんなコンビネーションを見せてくれるのかも楽しみです。

――外国といえば、菜波さんのお父さんはイラン人。行ったこともあるんですか?

菜波 あります。最後に行ったのが小学6年生の頃ですけど、すごく覚えています。夜行バスから見る景色が、アラジンよりもアラジン(笑)。一面の砂漠で、太陽が日本より大きく見えて。幻想的すぎて、別の世界に来たような感じがしました。

――そこにお父さんの実家があると。

菜波 親戚がすごく多いんです。今は一夫多妻ではないですけど、みんな子どもが多くて。日本人は珍しいから、毎日のように親戚が会いに来てくれました。“ハレ”がおばさんという意味で、「ハレ〇〇」と次々に紹介されて、誰1人覚えられない(笑)。イランではあいさつで頬っぺにチューをするんですけど、それを何十人とやって、「誰だろう?」と思いながら面白かったです(笑)。

イラン人の父の助けでペルシャ語のインタビューを

――菜波さんもペルシャ語を話せるんですか?

菜波 『Going!』で、強化試合をやったイラン代表の監督の取材を2回、ペルシャ語でやらせてもらいました。それでしゃべれるように思われてますけど、あいさつ程度はできて、ニュアンスが何となくわかるくらい(笑)。裏では父にLINEで聞いて、ボイスメッセージで発音を送ってもらっていました。「ここ合ってる?」とテレビ電話で確認しながら、呪文のように毎日ペルシャ語を唱えて、何とか……という感じでした(笑)。

――家でも会話は日本語なんですか?

菜波 ほとんどそうですね。父も日本のほうが長いので。でも、ペルシャ絨毯はいつもリビングに敷いています(笑)。

――羊の肉が好きだったりもしますか?

菜波 それは私は違うんです。好き嫌いはまったくないけど、小さい頃、唯一嫌いなのが羊の肉でした(笑)。イランの人はよく食べていて、父が買ってくるのは輸入した本場のラムで、臭みがすごくあって。でも、父の教えは「好き嫌いは絶対するな」。嫌いな表情をしただけで雷が落ちるので、涙目になりながら「おいしい」と言って食べていたら(笑)、克服できました。

――厳しいお父さんだったんですね。

菜波 厳しかったです。よくわからないお野菜や豆も食べさせられて、小さい頃はお腹を壊してましたけど、今は全然平気になりました。たぶん体が強くなったのかと。寒くても「上着を羽織るな」とも言われていました。父は冬でも半袖に短パン。野生児というか、人類が滅んでも最後まで残りそうな生命力を持っていて(笑)。そこは私も受け継いでいるかなと思います。

体を張って勇気を与えられたら

――今はモデルとバスケ関係の仕事が中心ですが、さらに広げていきますか?

菜波 テレビで話すのは大好きだと気づけたので、バラエティで活躍できるタレントとして頑張っていきたいです。何でもチャレンジしたり、ギリギリのところで体を張るのはたぶん私に合っているので。「これはできません」とは絶対言いたくないんです。観ている人に「菜波が頑張っているから」と勇気を与えていけたらいいなと思っています。

――出たい番組もありますか?

菜波 うちでは父がケーブルテレビばかりつけていて、海外のサスペンスや『ウォーキング・デッド』みたいなのを観てましたけど、唯一家族で楽しんでいた番組が『(世界の果てまで)イッテQ!』だったんです。出川ガールズは体を張っていて、めちゃめちゃいいですよね。いつもはキラキラしていて、泥だらけになったりしなそうな方たちがやっているから凄くて。私も出たいとずっと思っていました。

女性向けのかわいいバスケ服を作りたいです

――仕事以外でも、将来的にやりたいことはありますか?

菜波 バスケットコートを街に作りたいです。日本ではバスケをやる場所が全然少ないので。あと、バスケウェアもメンズは多いですけど、レディースのかわいいのはめちゃくちゃ探さないとないんです。私も男性ものを着たりしているので、そういう服もバッシュコラボでプロデュースできたら。

――やっぱりバスケとは関わっていくんですね。

菜波 ずっと関わりたいですし、自分でもやっていたいです。それと、海外を飛び回りたいというのは、ずーっとあります。英語の勉強もしているので、いろいろな世界を知りたいです。

――特に行きたい国というと?

菜波 スイスです。『愛の不時着』の最後のシーンを見て、行きたくなりました(笑)。日本では考えられないほどの自然と、のどかな感じが異世界だと思いました。あの世界を眺めに行って、時間の流れを忘れたいです。

――夢がいろいろあるんですね。

菜波 他にもフランスとか行きたいところはあります。イランもずっと行ってないので、なるべく早く、おじいちゃん、おばあちゃんに会いに行きたいと思っています。

Profile

菜波(ななみ)

1998年9月10日生まれ、東京都出身。

2019年3月より「CanCam」(集英社)で専属モデル。『Going! Sports&News』(日本テレビ系・土曜)でバスケットボール・サポーター。

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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