「吉田麻也、米国デビュー」連敗を3で脱したLAギャラクシー
現地時間8月26日の土曜日、吉田麻也がMLSデビューを果たした。彼が契約したLAギャラクシーは5度リーグチャンピオンとなっているが、2014年以降、優勝から遠ざかっている。キックオフ時点で、西地区14チーム中の13位。しかも、3連敗中であった。
本来なら、吉田のMLSデビューは6日前のリアル・ソルトレークシティ戦の筈だった。だが、カリフォルニア州南部をハリケーン・ヒラリーが襲ったため延期となり、次節のシカゴ戦まで待たねばならなかった。
ここ数試合、ギャラクシーのディフェンスラインは、右に若いブラジル人であるルーカス・フェリペ・カレガリ、左はカナダ代表のラヒーム・エドワーズで固定されていたものの、センターの2人は顔ぶれが変わった。それ故の3連敗だったと言えるかもしれない。
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26日にギャラクシーがホームに迎えたのは、東地区9位のシカゴ・ファイアー。27日ぶりのホームゲームに、1万962名のギャラクシーファンがやってきたが、2万7000人収容のスタディアムは空席が目立ち、サポーターが奏でるドラムの音も寂し気に響いた。
シカゴは前半27分に退場者を出し、ギャラクシーがアドバンテージを取る。直後に吉田麻也がヘディングで競り勝ち、そのボールをテイラー・ボイドが決めて先制。そのまま前半を折り返す。
72分には元ブラジル代表のダグラス・コスタの崩しから、ギャラクシーのエースで昨年バルセロナから移籍してきたリキ・プッチがゴール。そして終了間際にもPKで追加点を奪い、3-0で快勝した。
試合後の記者会見で筆者は、3連敗していたギャラクシーを外から見詰めていた時と、実際一員となってプレーしてみた違いについて訊ねた。
ギャラクシーの背番号4は答えた。
「終盤に失点する傾向があり、追加点が取れなくて自分たちのミスからゴールを奪われてしまうことも多かったので、そういったミスを減らすこと、時間帯によって締めるところを締めるということを意識しました。立ち上がりにピンチもあったし、その辺りをもっともっと改善して、大人のサッカーというか、巧みなサッカーで試合を締めなければいけないんじゃないかと思いますし、監督にもそこを求められていると感じています」
カタールW杯のサムライブルー主将が触れた「立ち上がりのピンチ」とは、最終ラインでのパス交換がうまくいかず、GKへのバックパスにシカゴFWが猛烈なプレッシャーをかけたシーンのことだ。1度ならず2度、そんな局面が見られた。
ギャラクシーは今年のアメリカ独立記念日に催されたダービーで、地元のライバルLAFCに2-1で競り勝った。このゲームには、8万2110人の観客が集まり、MLSにおける一試合の動員数新記録を打ち立てた。現在、リオネル・メッシ率いるインテル・マイアミが快進撃を続けているが、8万2110人には及ばない。
先のLAダービーはほとんどボールがタッチを割らず、スピーディーな戦いに終始した。MLSのレベルもここまで上がったか、と感じさせ、見応え十分の好ゲームとなった。しかし、ギャラクシーvs.シカゴ戦は、両チーム共に魅力的なサッカーを見せたとは言い難い。
その点を質すと吉田は言った。
「一人退場者が出たので、強度が落ちたなというのはあります。90分プレーするのは僕自身(3カ月ぶり)久しぶりだったので。これからもっと強度を上げていかなきゃいけないし、上がっていくと思うので、次のダービーは楽しみたいと思います」
今夜は、吉田にとってMLSでの第2戦となる。相手は同じカリフォルニア州にあるサンノゼ・アースクエイクス。アウェイゲームだ。背番号4は、ギャラクシーを建て直せるか。吉田麻也の米国での戦いに注目だ。