ノルウェーで働く女性に愛され、インスタ映えするドレス「by TiMo」
ノルウェーのメディアやインスタグラムなどのSNSで、頻繁に目にするファッションブランドといえば「by TiMo」だ。
アジアやヴィンテージファッションから影響を受けており、カラフルな花柄とフェミニンなドレスがトレードマークとなっている。デザイナーはTine Mollatt氏。
「ノルウェーでお金持ち妻が着ているブランドよ」。とあるノルウェー人ファッションジャーナリストは、イタリア人カメラマンと筆者にタクシーの中でそう説明した。
日本人である筆者の感覚では、このブランドはノルウェーのビジネスウーマンたちに愛されている印象がある。ファッションに特別なこだわりがあってもなくても、裕福な暮らしをおくる妻や女性にもよく着られている、という説明もどこか納得ができる。
価格帯はドレスで2000~3000ノルウェークローネ(2万8千円~4万2千円)。
筆者は仕事柄、政治家や企業のトップが集まる会議に取材で足を運ぶことがある。そこでよく目にするのがby TiMoの服だ。
ノルウェーの人といえば、安全路線である白黒のシンプルな服を選びやすい。特徴的な花柄プリントとカラフルな色合いのby TiMoは、その中で静かに、主張しすぎずに美しく目立つ。
「ノルウェーのブランドをもっと応援しよう」という意識を人々は抱くのだろうか。by TiMoを着て会議やパーティーに来るビジネスウーマンは多い。
インスタグラムでも、産業革命を後押しするイノベーション・ノルウェーのCEOアニータ・クローン・トローセット氏などが、by TiMoのドレスを着ている写真を投稿することがある。
そのせいか、他のノルウェーブランドに比べて、学生・20代・お洒落なファッションブロガーなどが着ているというよりも、働く大人の女性に愛されているという印象が強い。
インスタグラム映えもしやすいためか、Astrid Sなどのノルウェーの芸能人や音楽家も着ている。
筆者もファッションのことを記事にするので、「まずは試す」ために、あえて色々なノルウェーブランドを選んで購入している。by TiMoは取材先で「他の人とかぶる」確率が高いので、特に今年は驚くことが多かった。
アジアからインスピレーションを受けていることもあり、日本の着物を連想させるデザインも多い。よって、日本人には新鮮にみえず、「着にくそう」と感じることも多いかもしれない。
ところが、意外と実際に着てみると「悪くないかも」と思うことが多いのもby TiMoの特徴だ。
筆者には、このブランドは最初は手が出しにくかった。セールの時に日本人の友人と色々試して、「予想以上にこのブランドは着やすい」ということに気が付いた。ちなみに、アンダーウェアは着心地が良いのでおすすめだ。
8月末に開催された、首都オスロでの最大規模のファッションショー「オスロ・ランウェイ」(Oslo Runway)では、2018年春夏コレクションが発表された。
会場はオスロ中心地にあり、日本人観光客も多く宿泊する高級ホテル「ホテル・コンチネンタル」のレストラン。
by TiMoらしい、フェミニンで花柄、ひらひらとしたドレスやワンピースが次々とお披露目された。
このファションショーには、高校生ドラマ『SKAM』の俳優たちがちょくちょく顔を出すことでも知られている。ショーで常連となっているシーズン3での登場人物Evenを演じたHenrik Holmは、以前から彼女のLea Meyerを同伴させていた。
by TiMoの今期のショーではLea Meyer がモデルとして登場し、人々を驚かせた。
ドレスの裾を両手で持つという、あまり一般的ではないモデルとしてのポーズは、インスタグラムやファッションメディアで話題となった。
ノルウェーのファッションブランドの中でも、特にフェミニンさに溢れたby TiMo。今コレクションもきっと多くのノルウェー人女性に購入されるのだろう。
Photo&Text: Asaki Abumi