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ブラジル戦の交代策に込められたアギーレの意図とは

杉山茂樹スポーツライター

ジャマイカ戦。アギーレ監督は最大6枚の交代カードを4枚しか使わなかった。

アジアカップのためのテスト。だが、過去2試合(ウルグアイ戦、ベネズエラ戦)の成績は1分1敗だ。ホームでは勝ちがない。次戦のブラジル戦でも、勝利は期待できない。ジャマイカ戦はテストとは言っても、勝たなければいけない試合だった。しかし内容は良くなかった。唯一の得点も相手のオウンゴールによるもの。テスト、すなわちメンバー交代に消極的になった理由は、そこにあると考えていい。

勝利とテストをクルマの両輪のような関係で追求することは、簡単なことではない。だが、追求を怠ると4年後に花は開かない。両者の関係は、これまで「勝利>テスト」だった。勝利はファンを一時的に気持ちよくさせる効果がある。「日の丸」のプライド、代表の格式も同様に保たれる。商業主義に走るメディアからの受けもいい。勝利を悪く言う人は、ほとんどいない。親善試合でも勝利に比重を大きく傾けて戦った方が一般受けする。代表監督が保身に走ったとしても、それは分かりにくい。

ジャマイカ戦のアギーレは「勝利>テスト」だった。岡田さん、ザッケローニと同じ道を辿るのか。わずかながら不安が過ぎった。しかし、それはブラジル戦のスタメンを見た瞬間、払拭された。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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