「3年使える」スマホに最新OSのアップデートは未定? メーカーの見解は
OPPOの5Gスマホ「Reno7 A」は、快適な操作感で「3年使える」ことを売りにしています。しかしAndroid 13へのOSアップデートが未定であることにユーザーから不安の声が上がっています。メーカーはどう考えているのでしょうか。
Android 13へのアップデートは「未定」
Reno7 Aは、売れ筋である4万円台のミッドレンジスマホとして6月23日に発売されました。BCNランキングではグーグルのPixel 6aに匹敵する売れ行きとなっています。
その特徴として注目されたのが「36ヶ月サクサク」です。たいていのスマホは3年使っても動作はしますが、OPPOはファイルシステムを工夫することで遅くなる要因を取り除き、3年後も快適に使えることをアピールしています。
高価格帯のスマホでは買い替えサイクルが3年以上に長くなっており、さまざまな「長寿命化」の競争が進んでいます。この流れはミッドレンジ価格帯のスマホにも波及しつつあるといえるでしょう。
問題は、OSのバージョンです。Reno7 Aの出荷時のOSは「Android 11」です。「Android 12」へのアップデートは予定しているものの、まだ実施されていないようです。
さらに、9月27日に楽天モバイルは、その次の「Android 13」へのアップデート予定製品リストからReno7 Aの名前を削除し、SNSで話題になりました。
Reno7 Aが削除された経緯について、楽天モバイルと、OPPOブランドを展開するオウガ・ジャパンの両社に確認したところ、以下のような回答がありました。
・楽天モバイル広報「オウガ・ジャパン様より、Android 13へのアップデート予定はないと訂正のご連絡をいただいた」
・オウガ・ジャパン広報「弊社と楽天モバイル様との伝達ミスにより、リストに誤って掲載された」
オウガ・ジャパンによれば、Reno7 Aの発表時点で予定していたのは1回目のアップデート(Android 11→12)のみで、2回目のアップデート(Android 12→13)については当初から未定としていました。
現時点でこのステータスに変化はなく、「ユーザーの皆さまの利便性を考え、最適なアップデートを提供できるよう関係協力会社様とは調整を行っております」(オウガ・ジャパン広報)と説明しています。
しかし「3年使える」という表現に魅力を感じて購入したユーザーの中には、期待を裏切られたように感じる人もいるのではないでしょうか。
この点については、「Reno7 Aにおける『36ヶ月サクサク』は、OSとは異なるOPPO独自の機能の説明です。現状のOSバージョンにおいても、この機能により長期間快適にご使用いただけます」(オウガ・ジャパン広報)と説明しています。
その上で、「OSバージョンアップについての懸念は承知しており、引き続き検討を進めていきたいと考えております」(オウガ・ジャパン広報)とのことから、ユーザーからの不安の声は伝わっているようです。
「長く使える」競争激化か
筆者の印象としては、OPPOの対応が特別に悪いわけではないと感じています。AndroidスマホのOSアップデートはどのメーカーも一筋縄ではいかず、苦労しているからです。
というのも、アップデートはメーカーの努力だけでできるものではなく、グーグルやチップセットベンダー、通信キャリアなどとの調整が必要になるためと考えられます。これはアップルが5年前のモデルにもiOSの最新版を提供していることとは対照的です。
こうした視点から見ると、国内で展開するReno7 Aは、オープン市場向け(SIMフリー)、au/UQ mobile向け、ワイモバイル向けの3つのモデルに分かれており、なかなか大変そうです。
一方で、スマホにおいてもメーカー各社はサステナビリティに注力しており、スマホの長寿命化は差別化ポイントの1つになっています。その中で、複数世代のOSアップデートを期待する声はますます高まりそうです。