【現役小児科看護師が教える!】こんなときどうする?発疹編
子供の突然の発疹。
一概に発疹と言っても出るタイミングや出方がバラバラで、すぐによくなるものから長く続いてしまうものまであるため、受診するタイミングや対応に困ることが多いですよね。
そこで、どんなときに発疹が出るのか、どんな病気が考えられるのか、対応方法などを紹介していきます。
まずは発疹が出る原因として考えられることを上げていきます。
・乳児湿疹(あせもや脂漏性湿疹)
・寒暖差
・食物アレルギー
・突発性発疹
・感染症(溶連菌や手足口病、水痘など)
乳児湿疹と感染症は比較的見分けがつきやすいですが、だらだらと続いたりすると心配になったり、別の原因があるのではないかと思ってしまいますよね?
ここでは写真を中心にそれぞれ発疹のタイプを見ていきたいと思います。
【乳児湿疹】
一番初期から起きやすい肌トラブルです。
赤ちゃんは体温調整機能も不十分で汗をかきやすく、乾燥しています。そのため、少しの摩擦などの刺激で擦れたり、汗をかくことですぐに湿疹になりやすいです。
特に関節部や首などしわの寄りやすいところにできるので、清潔にした後にワセリンなどの保湿クリームで保湿をしてあげましょう。
もし赤みが引いてこないでひどくなってくる、傷になってきてしまった、という場合は病院に受診して、お薬をもらいましょう。
【寒暖差】
少し大きくなってくると、室内と外の気温差や入浴前後の寒暖差で発疹が出ることがあります。寒暖差で出る発疹は出るタイミングに特徴があります。
発疹が出やすいタイミング
・入浴前後や寝る前後
・外と中を行き来した後(お出かけ前後)
・活動前後
このような発疹が何日も出たり消えたりするのが特徴です。
寒暖差で発疹が出る体質だということを念頭に置き、可能な限り急激な寒暖差を避けるようにしましょう。
病院は受診しなくても大丈夫ですが、痒みが強かったりするようであれば、内服でコントロールできるので、受診がおすすめです。
【食物アレルギー】
離乳食が始まった後に見分けがつきにくいのが、食物アレルギーの発疹と通常の発疹。
元々乳児湿疹などがあるお子さんでは見分けがつきにくいですよね。
ではどんな場合に食物アレルギーの発疹が疑われるのか、下記をチェックしてみましょう。
食物アレルギーが疑われる場合
・初めて食べる食材があった。
・アレルギー食材(卵・乳・小麦・大豆・甲殻類・魚など)の量を増やした。
・食べてから30分以内に口周りや触れた部分を中心に発疹が広がってきた。
・体調がよくなかったが、アレルギー食材をあげた
・咳や嘔吐の症状が一緒にある
・時間が経ったら徐々に引いてきた
食物アレルギーが疑われる発疹の場合には、食事内容と食事をしてからどれくらいで発疹が出てきたのか記録しておきましょう。
そして、速やかに病院を受診するようにしてください。
軽い症状(発疹のみ)であれば、かかりつけ医で大丈夫ですが、咳や嘔吐、苦しそうな呼吸や全身に発疹が急激に広がる場合には、アナフィラキシーショックが疑われるので、救急車を呼ぶようにしてください。
軽い症状でも速やかに受診することで、今後の方針を決めていくときにスムーズです。
※アナフィラキシーショックについてはこちら(厚生労働省Hp)
【突発性発疹】
新生児期~乳幼児期に多いこの発疹。
高熱が下がった後に全身に発疹が出ることが特徴で、痒みなどはなく、本人は元気にしていることが多いです。
しかし、突発性発疹なのか、感染症の発疹なのかは、すぐに見分けがつくものではないので、病院を受診している経過で診断に至ります。
もし、高熱の後に発疹が出てきた場合は受診することをおすすめします。
【感染症の発疹】
その他にも様々な感染症で発疹が出ることがあるので、種類別に写真でご紹介していきます。
・水痘
胸やお尻、頭や下半身などリンパに沿って水ぶくれ、水を持ったような芯のある発疹が特徴的です。
水痘の発疹はかゆみやピリピリとした痛みを伴うことが多いので、違和感がないか確認してみましょう。
水痘の発疹は痕に残ることもある上に、水ぶくれが潰れると他の感染の原因になるので、迷ったら病院を受診するようにしましょう。
・溶連菌
高熱が続き、のどの痛みや食欲が落ちる、痒みのない細かい発疹ができるのが特徴です。
抗生剤が効く感染症のため、抗生剤を使っていないと、すっきり熱が下がりきらず、だらだら続く場合もあるので、流行がある場合や熱や発疹が続く場合は一度受診しましょう。
・手足口病
名前の通り、手の平、足の甲や裏、口周りに細かい発疹ができるのが特徴です。
発熱を伴う場合が多いので、その他の症状や流行状況を確認して、病院を受診するようにしましょう。
いかがでしょうか。
これまで様々な発疹を紹介しましたが、発疹の原因の診断には普段との違いが重要になります。
そのため、普段から湿疹があったり、悪化している場合には写真などに撮っておき、受診した際に見せていただけるとスムーズな診断に繋がります。
少しでも違うと感じるときには写真を撮っておくことをおすすめします。
また、感染症の発疹の場合には薬が効くことが多いので、流行がある場合には病院を受診するようにしましょう。
この記事が少しでも皆さんの助けになっていれば幸いです。