Yahoo!ニュース

26日決勝。ブレイブルーパスのジョネ・ナイカブラ、移籍の噂は否定。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
19日のプレーオフ準決勝でも活躍。(写真:つのだよしお/アフロ)

 国内リーグワン1部の決勝は5月26日、東京・国立競技場であり、旧トップリーグ時代の2009年度以来のファイナル進出を果たした東芝ブレイブルーパス東京が、一昨季まで2連覇の埼玉パナソニックワイルドナイツと激突する。

 同部屈指のフィニッシャーで、ワールドカップフランス大会日本代表のジョネ・ナイカブラが意気込みを明かした。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

——今季のブレイブルーパスと言えば、スタンドオフにリッチー・モウンガ選手が入ったことが話題です。

「いつボールを維持するか、いつ蹴るか、いつ相手に圧力をかけるかのバランスはよくなった」

——東京サントリーサンゴリアスとの第2節では、モウンガ選手のキックパスを受け取ったナイカブラ選手が好キックと好ランを繰り出していましたね(下の動画の2分24秒以降を参照)。

「試合前に『(キックパスを)蹴るから、常に(捕球する)準備をしておいて』と言われていた。そうして、すぐに蹴ってくれた」

——序盤から勢いに乗り、12チーム中2位でプレーオフに進んでいます。埼玉パナソニックワイルドナイツとのファイナルに向けて。

「エキサイティング。日本でベストなチームとの対戦は楽しみ。8年ぶりの決勝。私たちにとってはチームとして戦えること、東芝のラグビーを表現することが楽しみです。強くて速いマリカ・コロインベテ(オーストラリア代表経験者でフィジーにルーツを持つ)との対戦はチャレンジになります」

——国内シーンが幕を閉じれば、日本代表が宮崎で始動します。

「宮崎という名前を聞くと、タフなキャンプを思い出します! …まずは今週にフォーカス。それ以降のことは、その後、考えます」

 シーズン終盤に、気になるトピックスがインターネット上を駆け巡った。

 複数のクラブの選手が今季限りで移籍するという情報だ。なかにはナイカブラの名も見られ、ファンは戸惑った。

 しかしクラブの関係者によれば、一部で出回っているとされる「移籍リスト」にはフェイクニュースも含まれているとのこと。別なスタッフも、ナイカブラは残留する方向だと話す。

 本人もこの調子だった。

——インターネット上で、あなたが他のチームに移籍するという噂がありました。

「再びブレイブルーパスに残ります。私は(本拠地の)府中市を含め、この場所に順応しています。仲間もよくしてくれています」

 この国では、日本代表資格があり外国人枠外でプレーさせられる「カテゴリーA」の選手にニーズが集まっている。実際にナショナルチームで活躍したナイカブラであれば、契約更新時に他クラブから好条件を提示されてもおかしくはない。

 その仮説に対し、本人はオファーの有無については触れずにこう言った。

「家族ともしっかり話しました。そして、残ると決めたんです」

——約1年2カ月前に長女を生んだばかりの奥様が賛成するのなら、残留するのは自然ですね。

「妻がハッピーなら、私もハッピーです!」

 大阪の摂南大学出身であることから、部内の「関西会」の一員。クラブハウス近くの定食屋『ますだや』では「ブリカマ」「鮭カマ」をローテーションさせる。今度のファイナルはもちろん、来季の大舞台でも、赤い14番のジャージィ姿で疾走する。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

すぐ人に話したくなるラグビー余話

税込550円/月初月無料投稿頻度:週1回程度(不定期)

有力選手やコーチのエピソードから、知る人ぞ知るあの人のインタビューまで。「ラグビーが好きでよかった」と思える話を伝えます。仕事や学業に置き換えられる話もある、かもしれません。もちろん、いわゆる「書くべきこと」からも逃げません。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

向風見也の最近の記事