Yahoo!ニュース

Instagramは時系列から「見るべき写真」順になる

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
2014年のFacebook開発者会議に設置されたInstagramアート

2016年3月15日、Instagramはブログで、写真の表示順序を変更することをアナウンスしました。

これまで「フォローしているユーザー+広告を、時系列で並べる」方式だったところを、「見るべき投稿順」に変更するということです。今後数ヶ月かけて、全ユーザーに反映させていく計画です。

「見るべき写真」順とは?

Instagramが考える「見るべき写真」は、以下のルールで並ぶとしています。

「あなたがLikeをつけたくなりそうな=興味のありそうな写真」+「親しい友人の写真」+「新しい写真」

これまでは、「新しい写真」のみで並んでいましたが、これからは、好きそうな写真や友達の写真が、新しい写真よりも前に表示されることになりそうです。

いままでのLikeをつけた写真の傾向とフォロー関係によって、新着写真が「最適化」されることから、ユーザーはよりInstagramを楽しみやすくなる、ということです。

このルールは、親会社であるFacebookにも取り入れられていますし、Twitterにも部分的に取り入れられています。反映のタイミングはユーザーによりますが、投稿時間が前後し始めたら、新ルール適用、という合図でしょう。

なぜ変更する?

Instagramはルール変更について、次のような説明をしています。

サービスの成長によって、利用者は写真の7割を見逃していると言います。見たかったであろう写真を目にしない、ということが、頻繁に起きていることを改善する方法として、新ルールを取り入れることにしたそうです。

ブログでは、好きなアーティストが行ったライブの写真が夜中に投稿されると、翌朝までに他の投稿で流れてしまって、アーティストの写真を見られないことがある点を指摘しています。新ルールでは、こうした投稿を、朝起きてからでも見逃さずに済むようになります。

Likeを集めないと見てもらえない戦いに

もし、フォロー数を増やさないようにして、見たい投稿を逃さないようにする工夫をしている人がいたら、この新ルールはうってつけかもしれません。人気のあるアカウントの写真は、たくさんのLikeがつくため、優先的に表示され、フォロー数を絞らなくてもよくなるからです。

一方で、投稿する側からすると、いくらタイムリーに投稿しても、たくさんのLikeを集めなければ、フォローしてもらっている人の目に触れる可能性が下がってしまいます。

企業アカウントも活発になってきましたが、いかにフォローしてもらうか?から、いかにLikeを押させるか?という工夫が必要になった、ということでしょう。

ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

松村太郎の「情報通信文化論」

税込330円/月初月無料投稿頻度:月4回程度(不定期)

米国カリフォルニア州バークレー在住の松村太郎が、東京・米国西海岸の2つの視点から、テクノロジーやカルチャーの今とこれからを分かりやすく読み解きます。毎回のテーマは、モバイル、ソーシャルなどのテクノロジービジネス、日本と米国西海岸が関係するカルチャー、これらが多面的に関連するライフスタイルなど、双方の生活者の視点でご紹介します。テーマのリクエストも受け付けています。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

松村太郎の最近の記事